2014 Fiscal Year Research-status Report
大震災時に発生する火災旋風の渦力学的視点からのメカニズム解明
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25560177
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
篠田 昌久 山形大学, 理工学研究科, 准教授 (80292241)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 火災旋風 / 渦・旋回流 / 重力・浮力 / 燃焼 / ラセン状渦線 / 数値シミュレーション / CFD / 防災安全 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,渦力学的視点(特にラセン状の渦線などに着目する視点)から火災旋風のメカニズム解明を試みることであるが,1年目の計画は,まず地表の拡散火炎に旋回流(渦)と浮力(重力)を作用させて火災旋風現象を数値流体力学(CFD)的に再現すること,そして2年目の計画は,数値データの可視化・解析を行い,特に火災旋風の高速上昇流の形成メカニズムがラセン状の渦線(渦糸ソリトン)の誘起速度によるものとして説明できるかどうかを検証することであった.1年目の若干の遅れを取り戻して,2年目はほぼ当初の計画通り進めることができた.研究手法としては,自作ソフトウェア(乱流モデルなし)による実験室スケール火災旋風モデルと市販ソフトウェア(乱流モデルとして圧縮性LESモデル使用)による大スケール火災旋風モデルの2通りの数値シミュレーションを行った.その結果,どちらの数値シミュレーションにおいても,火災旋風内部に渦線の2重ラセン構造が見出された.そして渦糸ソリトンのような孤立波的なラセン状の渦線ではないものの,連続的なラセン状の渦線の誘起速度によって,火災旋風内部に高速上昇流が形成されている可能性が示された.この高速上昇流は,地表近くの燃料ガスや燃焼ガスを上空にまで高速輸送し,竜巻のような大きな火炎高さを生じさせる要因であり,火災旋風の発生・維持のために本質的に重要であると考えられる.これによって,当初予想した通り,研究代表者ら自身が微細スケールの渦に対して提案した「渦糸ソリトンによる高速火炎伝播機構」という渦力学的メカニズムと類似したメカニズムが,巨大スケールの火災旋風でも成り立っている可能性が高いことが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自作ソフトウェアによる実験室スケール火災旋風モデルの数値シミュレーションも,市販ソフトウェアによる大スケール火災旋風モデルの数値シミュレーションも,1年目の若干の遅れを取り戻して,2年目はほぼ当初の研究計画通り進んでおり,おおむね順調に目的を達成することができた.それぞれの数値シミュレーション結果についての学会発表も行うことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
2年目はほぼ当初の研究計画通り進んでいるため,3年目も基本的には現在のまま続行する.3年目は最終年度であるため,研究成果発表にも力を入れていく予定である.
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Causes of Carryover |
当初の購入予定物品を若干変更して,作業を効率よく行うために市販ソフトウェアの複数ライセンスを購入したことで物品費に違いが出てきたため,若干の余りが生じた.ただしこれにより,例えば1名で複数ライセンスを使用して,複数ケースを同時に効率よく計算することもできるようになった.複数ライセンス購入の場合,1ライセンス(1 task)を2つ購入するより,5ライセンス(5 tasks)を1つ購入する方が安く抑えられるため,そのようにした.また学会発表の旅費についても,知り合いの自家用車に便乗させてもらい日帰りするなどして旅費がかからないようにしたため,若干の余りが生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度の物品費・旅費・その他に加えて使用する予定である.
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Research Products
(6 results)