2013 Fiscal Year Research-status Report
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25560184
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Ibaraki National College of Technology |
Principal Investigator |
日下部 治 茨城工業高等専門学校, 校長, 校長 (40092548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 和也 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 建設安全グループ, 主任研究員 (80371095)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 自然災害 / 脆弱性 / 指標化 |
Research Abstract |
本研究で提案している自然災害安全性指標GNSに位置づけを明確にする目的で、現在までに提案されている自然災害の安全性、もしくは脆弱性の指標化の現状を整理した。その結果Coping Capacity Index, Disaster Risk Index,Integrated Risk Index,Local Disaster Index,Prevalent Vulnerability Index, Risk Management Index,Social Vulnerability Index, World Risk Indexについて整理をするとともに、本研究で提案するGNSと、指標化方式、指標化に含まれる情報の2つの視点から比較検討を行った。指標化の方式は、重みつけ重層線形化が主流であり、現状では最適なものであること、指標化の含まれる情報についてはGNSが提案している自然条件、地質、地形、降雨について陽な形で含まれている指標は現在使用されていないことが明らかとなった。 World Risk Index(WRI)の体系は、自然科学と社会科学の両面から調和のとれた指標化体系と有している。一方でWRIは自然科学的側面としてのIndexとしてHazard Exposure に晒される人口比が採用されているだけに過ぎず、GNSは潜在的自然要因の定量化を目指している視点からは、災害発生の潜在的自然要因の定量的扱いが欠如しているとも受け止められる。すなわち、自然界には自然災害に弱い地形や地質が存在し、日本にはそのような地盤が多い。例えば、沖積地盤(盛土・液状化地盤・軟弱地盤)、付加体地盤(断層帯・変質帯・メランジ)、火山性地盤(火山灰・変質帯)などを指摘することができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で提案している自然災害安全性指標GNSについて、国連のworldriskindexを中心に広範囲な文献検索と指標化に必要なデータベースの体系化を実施することで、本研究が志向する自然条件の取り扱いを主眼とした指標化の試みは行われていないことが確認でき、現在までの指標の国際比較が完了すると同時に、GNSの独自性を明確にすることができた。指標化の体系は、Worldriskindex等で用いられている重み付けをした複数の線形和で表現するのが、現段階では最適と判断され、次年度では2つの都市を対象に事例分析が可能な段階まで到達した。
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Strategy for Future Research Activity |
指標化方式は、重みつけ重層線形化を採用し、わが国における降雨災害履歴と指標化情報が比較的整備されている広島、横浜の2都市において事例研究を行い、指標化の有効性、スケール効果等を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の研究は、初年度としてGNSと他の指標との対比が中心であり、当初予定した実質的な計算入力補助等の作業が発生しなかった。 2年目に、広島市および横浜市の事例解析を行うため、前年度の人件費を使用するとともに現地踏査を行いつつ研究者および協力者の研究会を開催する旅費を計上する。
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