2014 Fiscal Year Annual Research Report
成人の自閉症スペクトラム障がいをもつ当事者の内的世界を理解する
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25560249
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
真木 誠 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (40165668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八田 達夫 北海道大学, その他の研究科, 教授 (50189560)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 自閉症スペクトラム障害 / 就労支援 / 職場定着 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は自閉症スペクトラム障がい者の内的世界に着目しながら、就労とその定着における有用な支援のあり方を提案することにある。平成25年度はこれらの目的に沿って、職場に定着し、(ⅰ)自閉症スペクトラム障がいを持つ、(ⅱ)話すことへの心身負担が少なく、発信量が多い、(ⅲ)勤務後半年以上経過している、(ⅳ)週労働時間が20時間以上などの条件を満たす当事者12名に対して、心理的検査と社会的経験とその解釈、および職場定着に役立ったエピソードについて、TEACCH理論に基づき半構成的インタビューを実施した(被験者謝金を使用)。さらにその結果を録音から追語録にあらわした。 平成26年度は、前年度の対語録作成を続け、そこから修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチに基づいてカテゴリー化を行い、検討を加えた。内容としては、知的障害がいがないことと結果の精度を高めるために勤続を1年以上と条件を変更して対象を選定した結果、解釈が可能だった対象者は7名となった。カテゴリー化の結果は、①診断による開放と不安、②ここまで悪くない、③日陰でやっているなどが挙がり、その解釈からは「フツウでありたい」ために就労を続けていると解釈された。ただし、その就労実態は就労支援という枠の中で予想以上に厳しいものと捉えることができるが、現実には現在支援の中で言われていることを強化することが先決的で有用であると理解された。 以上、本研究内容は日本精神衛生学会第30回大会(札幌市、2014年)で発表した。また北海道作業療法に現在投稿中である。
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