2014 Fiscal Year Annual Research Report
運動時の脳グリコゲン利用は持久性パフォマンスに関与するか?
Project/Area Number |
25560334
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
征矢 英昭 筑波大学, 体育系, 教授 (50221346)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 運動持久性 / 脳グリコゲン / 脳内乳酸 / ATP |
Outline of Annual Research Achievements |
従来、運動時の脳のエネルギー基質は血糖のみだとされてきた。最近、研究代表者は、脳の貯蔵糖質・グリコゲンが疲労困憊運動時に減少することから、脳でも筋同様に運動時にグリコゲンが利用される可能性を初めて明らかにした(J Physiol、2011)。更に、その後の休息により脳グリコゲンは筋同様に超回復すること、そして、持久性パフォマンスを高めるようなトレーニングを積むことでその貯蔵量が増加することも見出した(J Physiol、2012)。これらは、脳グリコゲン超回復をトレーニングにより繰り返すことで脳の代謝適応が生じ、持久性パフォマンスの向上に寄与する可能性を示唆する。しかしながら、実際に運動時の脳グリコゲン利用が持久性パフォマンスに関与するかどうかは不明である。そこで本研究では、この問題に迫ることを目的とし、グリコゲン分解酵素阻害薬、並びに乳酸輸送阻害薬の脳内投与を通して、脳グリコゲンの利用阻害が持久性パフォマンスを低下させるかどうかについて検討した。 その結果、グリコゲン分解酵素阻害薬の脳室投与は疲労困憊時の脳内ATPと持久性を低下させ、これは乳酸輸送阻害でも同様であった。これにより、脳グリコゲンが乳酸を通したATP合成により運動時の脳機能を維持することで、持久性を担うことを初めて実証した(投稿準備中)。
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