2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25580003
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
柳澤 有吾 奈良女子大学, 人文科学系, 教授 (90275454)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | モニュメント / パブリックアート / 公共性 |
Outline of Annual Research Achievements |
パブリックアートに関する議論を「野外彫刻」論という従来の狭い枠組みから解放し、「公共性」を軸としてパブリックアートを位置づけ直す試みのうち、本研究は、伝統的モニュメントに対する異議申し立てとしての「対抗的モニュメント」に焦点を合わせて検討を加えることを目的とするものである。26年度の実施計画として挙げたのは以下の2点である。
1 対抗的モニュメントのリストアップと関連する資料および研究文献の収集・検討 2 代表的事例に関して現地調査を行い、当該モニュメントの歴史的・社会的・倫理的な意義と射程を明らかにする
1については、文献探索及び検討を続けているが、「対抗的」の意味についてさらに分節する必要性が明らかとなった。2については、ドイツで調査を行い、先行研究で言及されているもの以外に対象となりうる事例を探索・検討した。研究成果の一部として対抗的モニュメントの紹介・検討を組み込んだ刊行物『パブリックアートの現在』を執筆した。平成26年度中に出版予定であったが諸般の事情で刊行が遅れている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
26年度中に刊行予定であった『パブリックアートの現在』の刊行が遅れていることと、事例の収集・分析の余地がなおあると思われることによる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は研究の最終年度になるので、上記刊行物の早期刊行に努めるとともに、とくに対抗的モニュメントに焦点化した論文の投稿・掲載を目指したい。事例については、引続き補完に努めるが、基本的にはこれまで収集・検討したものを中心にまとめることで対応したい。
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