2014 Fiscal Year Research-status Report
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25580098
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Research Institution | National Institute for Japanese Language and Linguistics |
Principal Investigator |
窪薗 晴夫 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 理論・構造研究系, 教授 (80153328)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | イントネーション / アクセント / 呼びかけ / 日本語 / 鹿児島方言 / 東京方言 |
Outline of Annual Research Achievements |
鹿児島方言と東京方言(標準語)の呼びかけイントネーションについて調査分析を行った。鹿児島方言については、呼びかけの際に語アクセントの区別が失われるか否かを調べ、A型アクセント(夏男、良子、ばあちゃん、教頭先生他)とB型アクセント(春男、洋子、おばあちゃん、校長先生他)の区別が失われることを確認した。その成果を国際会議(Leiden Workshop on Word Stress and Accent)および国内の学会(日本言語学会ワークショップ)等で口頭発表し、またPost-lexical tonal neutralizations in Kagoshima Japaneseと題する英文論文にまとめ、Mouton社の論文集(Tonal Change and Neutralization)に投稿した。この論文集は平成27年度末に刊行される予定である。 東京方言については、「かっとばせえ○○○!」や「○○ちゃん、遊ぼう!」といった言い回し・構文において、起伏式アクセント(直子、達也、静他)と平板式アクセント(直美、達男、望他)の対立が失われるか否かを分析し、対立が保持されるという結論を得た。一部のインフォーマントは先行研究が述べているように対立を失っているが、大多数のインフォーマントは先行研究の記述に反して、アクセントの対立が保持されるという明確な言語直感を持っているが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
鹿児島方言と東京方言に関する調査が予定通り進み、学会発表も順調に行ったが、成果の取りまとめについては、2年目以降に予定していた英文論文の執筆まで進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
鹿児島方言と東京方言の呼びかけイントネーションについて、構文数と話者数を増やして調査研究を行い、同じ調査を近畿方言や甑島方言に広げて実施する。また東京方言他に関する調査研究を学会発表と論文執筆・投稿の2本立てで成果発表する。
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Causes of Carryover |
実施した方言調査に対して一部、他の研究資金を使うことができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
方言調査と成果発表の回数(日数)を増やすことにより対応する予定である。
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