2013 Fiscal Year Research-status Report
新規言語事象の集中的多角的調査による首都圏の言語状況の把握
Project/Area Number |
25580103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | National Institute for Japanese Language and Linguistics |
Principal Investigator |
三井 はるみ 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 理論・構造研究系, 助教 (50219672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀田 裕見 文教大学, 文学部, 准教授 (20286024)
鑓水 兼貴 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 時空間変異研究系, プロジェクト非常勤研究員 (20415615)
田中 ゆかり 日本大学, 文理学部, 教授 (40305503)
久野 マリ子 國學院大學, 文学部, 教授 (90170018)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 東京都市圏 / 実態と動向 / 体系と変化 / 方言と共通語 / 東京のことば / 地理的構造 / 社会的地域差 |
Research Abstract |
首都圏の言語は,多様性,流動性といった大都市特有の性格のため,言語生活,言語意識を含めた地域言語の全体像を見渡すことが難しく,変化要因や方向性もつかみにくい。このような首都圏の言語の実態と動向を解明するためには,現在発生し,変化が進行しつつある言語事象を的確に捉え,その使用状況を言語意識とともに精査することが有効である。 首都圏の地域言語に近年生じている言語現象,言語状況を把握するために,2013年度は次の二つを行った。 1.首都圏の言語に関する網羅的な研究文献目録である,吉田雅子・三樹陽介編『首都圏の言語に関する研究文献目録(稿)』を作成した(図書:436件,論文:1398件,学会発表予稿:117件を採録)。これにより,これまでの研究の蓄積を踏まえて今後の研究の展開を図るための準備が整った。 2.携帯電話を利用した言語調査システムであるRMSシステム(Real-time Mobile Survey System)(開発者:鑓水兼貴)を改良し,これを用いて,首都圏若年層高密度分布調査を実施した。非標準形の使用と使用意識,流行語的若者語・敬語の使用状況,言語生活・方言意識に関する62項目について,首都圏の4大学に在籍する学生約600名から回答を得た。このうち,方言意識に関する項目について分析を行い,鑓水兼貴・三井はるみ「首都圏在住者の方言話者への評価意識」(シンポジウム「「評価」を持って街に出よう」におけるポスター発表,2014.2.23)として報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2013年度は主として,研究文献目録の整備公開と,新規言語事象を中心とした首都圏若年層の分布調査を実施した。これにより,新たな研究を展開するための基盤が整うとともに,首都圏若年層の言語と言語意識に関する新たな分布データを得ることができた。結果の一部について分析を開始した。 また,首都圏内特定地域における集中的多角的調査の実施に向けて,関係者,関係機関との事前打ち合わせを行った。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である2014年度に,首都圏内特定地域における集中的多角的調査を実施する。これらの結果に基づいて,現在の首都圏の言語の実態と動向を記述するためのモデルの構築を試みる。関連学会等で研究成果を公表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
各分担者に少額の残額が生じたため。 2014年度予算と合わせて各分担者が使用する。
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Research Products
(4 results)