2014 Fiscal Year Research-status Report
オントロジーに基づく地理空間概念・地理学用語の体系化と地理教育内容の標準化の試み
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25580171
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
山本 充 専修大学, 文学部, 教授 (60230588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加地 大介 埼玉大学, 教養学部, 教授 (50251145)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | オントロジー / 地域 / 景観 / 地理空間 / 地理情報システム |
Outline of Annual Research Achievements |
地理学者の研究過程とその成果である論文における地理空間概念に関わる用語を整理・検討した。 地理学における記述と説明において、「地域(地誌学の対象としての「地域」は除く)」と「景観」は記述の手段として用いられてきた。地理学で用いられてきた等質地域(ある事象の分布が顕著な領域)や機能地域(立地した事象の機能が及ぶ領域)は、ある場所に位置する事象を整理して記述するために使われる。その際、「景観」として表れる可視的な事象、とりわけ人間居住の基礎となる「住居」、それらの集合である「集落」、その上で、さまざまな目的で地表面を分割して利用してきた「土地分割と土地利用」に注目してきたといえる。 このように「地域」や「景観」の記述を踏まえて、地理学者は、自然「環境」との関連で、「地域」や「景観」を説明しようとしてきた。また、地表面状における事象の「伝播」の過程の結果として、それらを把握しようとした。「環境」や「伝播」は地理学における重要な説明のツールとして用いられてきたが、あくまでも、「地域」や「景観」の形成は、人間という「主体」による。人間の属する民族集団、社会集団、人間個人の意思決定などにより、「地域」や「景観」のありようは異なる。 ある場所の「地域」や「景観」をある場所からの「距離」の関数として把握すること、また、「地域」や「景観」の形成を「時間」軸上で説明することも地理学において行われてきたことである。そして、異なる「地域」や「景観」間の「流動(交通)」が、「地域」や「景観」の形成・強化の背景ともなっている。 以上のように、地理学で用いられる地理空間概念に関わる用語を相互に関連付けることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実際に地理学者が用いている用語の用法・概念の検討から、地理空間概念に関わる用語と地理学の方法を相互に関連付け、ある程度、整理できたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
地理空間概念に関わる用語の相互関連をより検討した上で、地理学教育への応用、すなわち標準的なカリキュラム、それを示す標準的な教科書の策定を目指す。
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Causes of Carryover |
予定していた学会参加のための旅費の支出を行わなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学会参加のための旅費として支出する。
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Research Products
(3 results)