2014 Fiscal Year Research-status Report
東日本大震災後の民俗文化にかかわる災害民族誌研究の国際的ネットワーク構築
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25580179
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高倉 浩樹 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (00305400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 敏明 東北大学, 文学研究科, 教授 (80322923)
滝澤 克彦 長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (80516691)
岡田 浩樹 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (90299058)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 災害人類学 / サルベージ / 日本研究 / 民俗文化財 / 研究ネットワーク構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の主要目標は国際研究ネットワークの構築を実施することであったが、それを効果的に実現することができた。5月末にはメンバーで研究打ち合わせを行い、昨年度のまとめと今年度の計画を確認した。国際化ネットワークの構築については2回にわたって研究会事業を実施した。7月にはケンブリッジ大学/慶應義塾大学訪問教授のブリギッテ・シテーガ氏を東北大に招聘し、10月にはニュージーランド・カンタベリー大学で国際ワークショップを共同主宰した(発表参加者は日本側4名、ニュージーランド側8名)。これらを通して海外の日本研究者と東日本大震災における研究者と役割と教育上の役割について討議し、最終年度にむけて国際シンポジウムを開催する見通しを得た。これ以外にも、5月には千葉で行われた国際人類学民族学学会の2014年度中間会議では高倉が発表した他、11月にはインドネシア・ガジャマダ大学で行われた「震災と宗教」に関わる国際会議において、高倉・木村・滝澤の3名が参加し発表をおこなった。これら活発な活動によって、メンバーが震災後に行った津波被災地の無形民俗文化財サルベージ調査事業について、海外の研究者にむけてその社会的意義と研究上の意義を主張し、賛同を得ることができた。特に近年大規模な自然災害を経験した国では、人文学分野の復興への研究上関与は至急確立する必要がある問題であることを確認した。またこれまで宮城に限定されていた東日本大震災にかかわる民族誌的知見については、9月と1月にはメンバーを中心とする国内研究会を開催し、福島の事例も含めた知見をえる機会をもった。そのことで従来探求してきた東日本台審査の津波の影響とその復興に関わる災害人類学の領域と異なり、原発爆発による放射能被害の影響について人類学はどのようにアプローチすべきかその萌芽的知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで行ってきた被災民俗文化財に関わる調査研究成果について、複数にわたって海外の大学・国際学会で発表し、研究者ネットワークを構築することができた。また災害時に人類学がどのような対応が可能なのか、日本だけではなく、海外の事例も踏まえて、検討することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、日本国内での国際ワークショップを行うため、予算も十分吟味し、実現可能な形で計画を精査したい。その成果をどのようにまとめていくかについても年度前半までに計画を構築したい。特に今回の調査事業で構築した国内外の研究ネットワークをどのように発展させていくか、制度的な面も含めて検討する。
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Research Products
(16 results)