2015 Fiscal Year Research-status Report
メンタルタフネスの実態把握と向上に関する縦断的研究
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25590192
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Research Institution | Tsukuba International University |
Principal Investigator |
山田 圭介 つくば国際大学, 産業社会学部, 助教 (40642921)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | スピーチ評価 / 感情制御方略 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は,①発表本番に強い人が行っている認知・行動尺度を作成すること,②本番に強い・弱い人の認知がどのようなプロセスで維持されているのかを質問紙調査によって明らかににすることが目標であった。 社会人(309名)を対象として,インターネットを用いた調査を2度実施した。なお各調査に約1か月の間隔を空けた。一度目の主な調査目的は,昨年度データを集計した項目について回答を求め,Thinking before speech scale(TBSS)とThinking during speech scale(TDSS)の2つの尺度を作成することであった。 そして2度目の調査目的は,TBSSとTDSSの再検査信頼性の検討と認知プロセスの解明であった。調査材料には,TBSSとTDSS,感情制御方略尺度(吉津・関口・雨宮, 2013),Speech Estimation Scale(城月・笹川・野村, 2009)を使用した。 共分散構造分析を実施した結果,感情を抑えることで制御しようとする傾向があるほど,スピーチ前に失敗不安が喚起され,さらにスピーチ中に自分のパフォーマンスに対して偏った認知を行っていた。そして最終的に,スピーチの主観的な評価を低下させるというプロセスが明らかになった。その一方で,状況について考えなおす等の再評価をよく用いる傾向がある場合には,スピーチ前には成功を想像しており,最終的にスピーチ後の主観的評価が低下しにくいことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2つの尺度作成と認知プロセスの解明については順調に行ったものの実験的介入(発表本番に弱いと考えている人に強い人の認知方略を使用すること)が実施されておらず,1年間の延長願を提出したため。
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Strategy for Future Research Activity |
調査データをもとに,実験計画を作成し,協力者の募集に入る(7月まで)。9月より実験を開始し,11月には実験を終了する。12月以降はデータの分析,報告書,論文の作成に移行する。
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Causes of Carryover |
研究計画の見直しを行い,1年間の延長願を提出した。それが承認されたため,次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
介入実験に使用する生理指標を測定するキットと分析用ソフトの購入に充てる予定である。
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