2014 Fiscal Year Research-status Report
子どもの自尊心の国際比較から解く、生きる力・いじめ・学校教育への示唆
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25590243
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
櫻井 里穂 広島大学, 教育開発国際協力研究センター, 准教授 (50509354)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 自尊心 / いじめ / 学校教育 / 日本 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、アフリカ・アジア・中南米の事例から子どもの自尊心の形成過程と、「生きる力」「いじめ」との関連性および「学校教育への影響」を検証する、比較国際教育・教育開発・心理学の分野横断的な研究である。研究開始2年目にあたる平成26年度は、その位置づけを研究の「展開期」とし、研究を進めた。 具体的には、2014年10月に、ブータン教育省基礎教育課の方々を招聘し、子どもの自尊心に関する日本とブータンの比較セミナーを本学で主催した。セミナーでは、「すべての子どもに教育を(EFA)」という万人のための教育の目標を念頭に置き、障がいのある子どもたちも含め、学校教育の意義や自尊心について広く討論した。さらに、子どもの自尊心にどういった問題がある時、学校でいじめが起きるかなど、自尊心といじめの因果関係を含めて広く議論した。 2014年11月以降には、地方政令指定都市のH市にある、公立中学校(複数校)で、質問紙調査および聞き取り調査を行い、生徒2500名以上の有効回答を得ることができた。これらの調査結果を2015年3月、アメリカのワシントンDCで行われた米国比較教育学会(CIES)などで口頭発表を行った。会場からは、多くの質問が寄せられて、とくに、いじめる側(加害側)の自尊心に関して男女差が見られたことや、その理由、また、日本独特の文化で、質問紙の回答をどちらかというと低めにつけてくる可能性はないのかどうか(とくに女子)、などの質問を受けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、おおむね予定通りに進んでおり、とくに日本での調査は学校への報告も含めて好評であったため、結果として3カ年続けることができた。また、研究結果の報告に関しても、国内外の学会にて口頭発表を予定通り行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、研究最終年度となるため、研究結果を国際学会での口頭発表と、国際的なジャーナルへの投稿を通して発信することを目標としている。
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Causes of Carryover |
前年度から1770円の繰越金がある。これは使い切らなかった端数である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
子どもの自尊心に関する書籍の購入にあてるつもりである。
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Research Products
(3 results)