2014 Fiscal Year Annual Research Report
高次ナイキスト領域における広帯域強度雑音抑制とロックイン型顕微鏡への応用
Project/Area Number |
25600116
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小関 泰之 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60437374)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 誘導ラマン散乱 / 雑音抑制 / 光パルス |
Outline of Annual Research Achievements |
最新の無標識生体観察手法のひとつである誘導ラマン散乱(SRS)顕微鏡では、ショット雑音限界に迫る超低雑音性を有する固体レーザーが広く用いられてきた。これは、SRS顕微鏡では2色の光パルスの間で転写されるごく僅かな強度変調を検出する必要があるからである。本研究では、固体レーザーと比較してより小型で実用性の高いファイバーレーザーをSRS顕微鏡に使用するための新しい技術として、高次ナイキスト領域におけるロックイン検出の検討を行う予定であった。平成26年度は、本技術の検討に必要なピコ秒ファイバーレーザー光源の検討を行った。その結果、新しい原理によって、高速波長可変性を有する光源が実現できることを実証できた。現在の動作波長は1.5 um帯であるが、同じ原理をYb添加ファイバーレーザーに適用することで1.0 um帯での動作も可能と期待され、SRS顕微鏡のための有用な光源になりうると期待される。 このように、新しい雑音低減手法の実証までは至らなかったものの、本研究期間において、SRS顕微鏡の実用性を高める新しい光源技術を開発することができた。
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