2013 Fiscal Year Research-status Report
大規模宇宙線大気蛍光望遠鏡アレイのための簡易蛍光望遠鏡開発
Project/Area Number |
25610051
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
多米田 裕一郎 神奈川大学, 工学部, 助手 (90467019)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 最高エネルギー宇宙線 / 宇宙線 / 大気蛍光法 / 空気シャワー / 質量組成 |
Research Abstract |
本研究の目的は、10の18乗電子ボルトを超えるエネルギーを持つ超高エネルギー宇宙線(UHECR)観測のための次世代検出器の研究開発である。 UHECRの持つエネルギーは非常に莫大で、未だ生成機構に結論は出ておらず、観測による起源天体の同定には大きな意義がある。 しかし未だ同定に至らない一つの原因が到来頻度の少なさであり、検出器の大規模化が求められており、実現するためには本研究が目指す様な低予算で実現可能な検出器の実現が非常に重要である。 本実験は実施計画にあるように、一枚のフレネルレンズと1本の光電子増倍管という単純な光学系と信号処理系から構成される望遠鏡であり、既存の望遠鏡の数パーセントに予算を削減可能である。加えて、現在稼働中のテレスコープアレイ(TA)実験にて実際に使用されている地表粒子検出器の信号処理系を使用することにより、これらの開発コストを必要としない。 このことから従来の予算規模で、50倍程度の観測感度を有するUHECR観測に適した大規模検出器アレイの実現が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は望遠鏡の設計製作及び性能評価であり、望遠鏡支持部などの設計製作に関しては設計を終了した。 性能評価に関しては、全ての構成を組み上げた統合試験の準備段階で、構成部毎の試験を行っている。 信号処理回路と合わせて使用する予定の夜光軽減対策回路も、現在開発中である。 次年度の予定としていた検出器シミュレーションなどの解析ソフトウェアが現在開発中であり、検出器の検出感度の評価を行った。 また本研究の目的であるUHECRの組成に関して、現在稼働しているTA実験のデータを用いた研究成果を学会等で発表している。
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Strategy for Future Research Activity |
望遠鏡を組み上げてデータ収集系を含む統合試験により動作確認を行う。また、望遠鏡設置のための整地など米国の実験サイトの環境整備を行う。 本望遠鏡を米国ユタ州のTA実験サイトに輸送し、現地での試験観測を行う。 試験観測では、TA実験で使用されている望遠鏡の校正装置であるレーザーなどを観測し、本望遠鏡の動作確認、及び校正を行い、観測対象である宇宙線空気シャワーの観測を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
望遠鏡支持部の設計は終了したが、設置場所の確保に時間を要したため初年度製作することができなかった。 また、開発中の夜光軽減回路に関しても物品の選定等を行っている段階にあり初年度には購入しなかった。 現在、望遠鏡支持部の設置場所は確保できており、今年度直ちに製作を行う。また夜光軽減回路に関しても、継続して開発を行い本年度中に試験観測で使用する予定である。
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Research Products
(3 results)