2013 Fiscal Year Research-status Report
アパタイト含水率計の開発:原始地球における水とマグマへの新アプローチ
Project/Area Number |
25610149
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯塚 毅 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 講師 (70614569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 一仁 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90160853)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アパタイト / 水 / 原始 |
Research Abstract |
水は,地球表層部では表層環境-生命の進化に,地球内部ではマントルダイナミクス・マグマ活動に重大な役割を果たしている.また,地球表層~内部の水は,海洋プレートの沈み込みやマグマ活動(脱ガス)を通じて,大規模に循環している.本研究では,原始地球において水がマグマ活動に果たした役割を理解し,さらには,地球史を通した水の大規模循環を追究することに最終目標をおいており,その研究の第一歩として研究期間内にアパタイトを用いたメルトの含水率定量法の確立を目指している. 研究の手法は主に2つの方法かなる.1つは,アパタイト-メルト間の水素の分配係数を正確に決定するために,アパタイトを高温・高圧下で合成し,そのアパタイトと周囲のガラスの水素濃度を決定するものである.もう1つは天然の岩石試料からアパタイトのメルト含水率計の実用性を評価するものである. これまでに,アパタイトのメルト含水率計の実用性を評価するために,北海道納沙布岬において根室層群の貫入岩体の野外調査・試料採取を行い,その岩石学的記載を行ってきた.また,同定されたアパタイト鉱物について,電子線マイクロアナライザを用いて主要元素濃度の測定を行った.その結果,貫入岩体の中でマグマの分化が進むにつれて,アパタイト中のハロゲン元素濃度が変化することが明らかになった.さらに東京大学大気海洋研究所において,アパタイトの水素濃度測定を二次イオン質量分析計により行った.その結果,アパタイト中のハロゲン元素濃度が変化するにも関わらず,アパタイト中の水酸基の濃度(水素濃度)は殆ど変化しないことが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は,2つある研究手法のうちの,一つ目の高温高圧合成実験を初年度に中心に実施する予定であったが,2つ目の天然試料を用いた研究が予想以上に順調に進んだために,こちらを主に進めた.研究を進める順序に変更はあったが,研究計画全体における進行度としてはおおむね順調である.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,天然の岩石試料についてより高精度で水素濃度の決定を行うとともに,それらの試料についてレーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析計を用いて微量元素濃度の決定を進めていく.さらに,初年度にあまり進められなかった,高温高圧におけるアパタイトの合成実験を進めていく予定である.
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