2014 Fiscal Year Annual Research Report
後方散乱X線トモグラフィによる大型構造物内断層撮像法の実現
Project/Area Number |
25630430
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡辺 賢一 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30324461)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 非破壊検査 / X線 / インフラ診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、後方散乱X線トモグラフィによる大型構造物内断層撮像法の実現に向け、以下に掲げる3つの項目、1)画像再構成法の検討、2)コンポーネントの最適化、3)総合性能評価を実施した。 1)画像再構成法の検討 実際に平行平板コリメータ付X線検出器により後方散乱X線撮像実験を行い、得られた実データに対しML-EM法による画像再構成処理を施し、断層像を得られることを確認した。 2)コンポーネントの最適化 平行平板コリメータ付X線検出器を設置する角度および位置は断層撮像を行う際に非常に重要なパラメータとなる。厚さ0.5mm、間隔0.5mmの平行平板コリメータを7.5°間隔で7方向に設置した体系で、モンテカルロシミュレーションを行い、得られた撮像データに対し画像再構成を行い、断層像を得られることを確認した。 3)総合性能評価 1cm厚のモルタル板の背後に2本の直径10mmの鉄製ボルトを10mm間隔で設置した被写体に対し、後方散乱X線断層撮像を行った。用いた平行平板コリメータは厚さ0.5mm、間隔0.5mmで、これを15°間隔で7方向に設置した。得られた撮像データから再構成した断層像において2本のボルトを明瞭に分離できていることが確認でき、数mm程度の分解能を有していることが確認された。また、検出器を設置する方向を5方向に減らしても、奥行き方向の分解は劣化するものの断層像を得られることを確認した。
|