2013 Fiscal Year Research-status Report
中枢神経系における経軸索性細胞間相互認識に関する研究
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25640021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
佐藤 康二 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80235340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三河 須美子 浜松医科大学, 医学部, 助教 (70359743)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 骨形成タンパク質 |
Research Abstract |
平成25年度においては、BMP2-15、また、既知のBMPアンタゴニストであるnoggin, chordin, そしてニューロジェネシンの遺伝子、さらには受容体としてBMPRIA, BMPRIB、BMPRI、さらにはアクチビン受容体等の蛋白の発現の発生に伴う発現変化を、胎仔と種々の生後齢のラットにおいて、in situ hybridization法、免疫組織化学法によって詳細に調べた。さらに、様々な回路に特異的なマーカーを用いて、各々の神経回路形成におけるBMPシグナリング系関連蛋白の時間的・空間的関与についての情報を得た。さらに免疫電顕法を用いて、BMPシグナリング系関連蛋白のうち分泌蛋白であるリガンド、アンタゴニストについて細胞内、細胞外の局在を詳細に検討した。 後根神経節細胞を始めとする知覚ニューロンを初代培養し、培地内に各種BMP蛋白やBMPアンタゴニストを加え、それらのニューロンの軸策伸展様式について検討を加えた。さらには、これらのシグナルにグラディエントを持たせた場合についても検討を加えた。次に、RNAi法等を用いて、ニューロジェネシンの遺伝子発現を抑制したときに、軸策伸展様式について検討を加えた。さらに同様の実験を、大脳皮質ニューロン、海馬ニューロンの初代培養などでも行った。さらには、脳スライス培養法を用いて、targetのニューロンにtracerをうちなるべく自然な状態において、BMPシグナリング系が様々な神経回路形成について及ぼす影響についても解析をすすめ、前項での所見をin vitroの系に持ち込んで確認した。さらには、BMPシグナリング系が、軸策伸展に対して影響を与えるメカニズムについても検討を加えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中枢神経系の複雑な回路を形成・維持するには、細胞間の微細な非接触性相互認識メカニズムが不可欠である。しかし、それらのメカニズムの詳細は未だ明らかとなっていない。我々のcloningした骨形成因子のアンタゴニストであるニューロジェネシンは、知覚性上行路に特化して発現しており、知覚神経回路の非接触性細胞間の相互認識に骨形成因子シグナル系が関与することを強く示唆している。25年度の研究成果により、我々はこれまで明らかとされていなかった中枢神経系における細胞間の非接触性相互認識メカニズムに、骨形成因子シグナリングが広くまた多様性を持って関与しているのではないかという仮説を支持するに至ったから。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度の研究がおおむね順調に進展しているので、当初の計画通り研究を推し進める。
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Research Products
(5 results)