2014 Fiscal Year Annual Research Report
一倍体ES細胞による始原生殖細胞の発生に必須な遺伝子の順遺伝学的スクリーニング
Project/Area Number |
25650077
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
林 克彦 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20287486)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 始原生殖細胞 / ES細胞 / 遺伝子スクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
始原生殖細胞はすべての卵子や精子の源であり、発生の初期に体細胞系列から分岐する。本研究は始原生殖細胞の発生に必須な機能的遺伝子群を明らかにするために、一倍体ES細胞からPGCsを分化誘導する培養系を構築し、機能的な遺伝子スクリーニングを行う。 研究ではまず始原生殖細胞の分化をモニターできるレポーターマウス(Blimp1-mVenus/Stella-ECFP:BVSC)から一倍体ES細胞の樹立を試みたが、部分的または完全な染色体の重複(Duplication)がおき、安定的なBVSC一倍体ES細胞の樹立は困難であった。そこでレポーター遺伝子を持たないが、すでに樹立されている一倍体ES細胞を用いて遺伝子スクリーニングを行うこととした。これらの細胞における始原生殖細胞への分化は細胞表面抗原(Itgb3およびSSEA1)によってモニターすることとした。 一倍体ES細胞に導入するための遺伝子の転写を停止させる構造をもったベクター(トラップベクター)を作製した。トラップベクターはPiggyBac配列を2カ所もち、その間にスプライスアクセプターとストップ配列をもち、選択マーカーとして独立したプロモーターをもつネオマイシン耐性遺伝子を配置した。これらのトラップベクターを一倍体細胞に導入・薬剤選択後、多数のクローンを回収した。現在それぞれのクローンについて始原生殖細胞への分化誘導を行い、その分化に異常のあるクローンを同定している。
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