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2013 Fiscal Year Research-status Report

ディウロドリルスは新動物門となるか?

Research Project

Project/Area Number 25650133
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research

Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

柁原 宏  北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (30360895)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 島野 智之  宮城教育大学, 環境教育実践研究センター, 准教授 (70355337)
木村 敦  北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (90422005)
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
Keywords原始環虫類 / 分子系統解析 / 分類学
Research Abstract

今年度は標的種のうちDiurodrilus, Trilobodrilus, Kalyptorhynchiaについてシーケンスを試みた。Diurodrilusは採集個体数が少なかったため十分なRNA量が確保できなかっただけでなく、ミトコンドリアゲノムの精製も難しかったため、total DNAを直接シーケンスすることにした。その結果、核にコードされているrDNA配列などを決定することが出来たほか、ミトコンドリアゲノムの30-40%を決定することが出来た。Trilobodrilusについては走査型電子顕微鏡を用いた繊毛パターンなどの形態観察の結果、国内からはほぼ70年ぶりの記録となるT. nipponicus Uchida & Okuda, 1943と同定することが出来、現在再記載論文を準備中である。RNAの確保が難しかったためtotal DNAを解析したところ、Diurodrilusのライブラリよりは状態がよかったため、核のrDNA配列全長のほか、ミトコンドリアゲノムのおよそ60%程度を決定することが出来た。読むことの出来たのは75436リードで、総計18.9Mbasesを決定することが出来た。公開データベースに登録されている既知のDinophilidae科の他種のシーケンスとともに行った予備的な分子系統解析の結果、本科は単系統群を構成したが、その姉妹群は依然として明らかではない。Kalyptorhynchiaに属するProschizorhynchella sp.についてはEST解析を行い、552701リード、86 Mbasesを決定することが出来た。ライブラリの品質の問題からEST解析は十分ではなかったが、アセンブリの結果1251コンティグが得られ、rDNAのほか若干のハウスキーピング遺伝子を決定することが出来た。ミトコンドリアゲノムについては全長のほぼ半分に相当する136283リード、23 Mbasesを決定した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

プロジェクトが予定通りに進展していない最大の理由は十分なサンプル量の確保が難しい点である。予備的調査からある程度判明していたことではあったが、砂浜における標的種の分布はかなりまばらであるらしい。今年度は現場に実体顕微鏡を持ち込んで何地点かで抽出・観察を繰り返しながら標的種が高密度に生息している地点をピンポイントで発見することによって十分量を確保するような工夫が求められる。

Strategy for Future Research Activity

当初計画したような対象種すべてに関する次世代シーケンシングを用いたEST解析は、十分量のRNAを確保することが難しい種があるため、限られた予算と年限では進行が難しいことが明らかになった。そのため、rDNAとミトコンドリアゲノム全長配列に基づいてDiurodrilusおよびTrilobodrilusの系統的位置を推定する方向に研究をシフトする。昨年度はそれぞれの個体で次世代シーケンシング用のライブラリを調整するための条件を高い精度で決定することが出来た。DiurodrilusとTrilobodrilusのミトコンドリアゲノムについては当該年度のうちに50-60%が決定できているので、今後はこれらの領域に基づいてプライマーを設計し、全長配列のPCR増幅を試みる。増幅したアンプリコン・リードによって効率よくミトコンドリアゲノム全長を決定することが可能になることが期待される。核にコードされているrDNAの情報と併せて既知の配列とともに系統解析を行うことで標的種の姉妹群を明らかにする。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

当該年度に見込んでいた消耗品の使用量が予測よりも少なかったため。
チップ・チューブなどのプラスチック製品の購入に使用する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 北海道産Diurodrilus属(動物門不明)の1未記載種について2013

    • Author(s)
      生駒真帆・柁原宏
    • Organizer
      日本動物分類学会第49回大会
    • Place of Presentation
      宮城教育大学、仙台市
    • Year and Date
      20130608-20130609

URL: 

Published: 2015-05-28  

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