2013 Fiscal Year Research-status Report
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25660063
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
永田 真紀 佐賀大学, 農学部, 非常勤博士研究員 (80595918)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 根粒菌 / 共生 |
Research Abstract |
根粒菌とマメ科植物は、化学物質の交換により相互認識をすることが知られている。しかし、化学物質の交換だけではなく、根粒菌は土壌中が暗黒であることを利用して、光る根を探して集まってくるのではないかという仮説を立てた。この仮説を証明するために、1. 根粒菌は光に集まるか?2. 根粒菌の増殖は光に影響を受けるか?3. 根に対する補光により根粒着生がコントロールされるか?の課題に取り組んでいる。今年度の研究成果は、次の通りである。初めに光質による根粒菌の運動性の違いを検討するため、半流動培地上のミヤコグサ根粒菌野生株にLEDライト(青, 赤, 遠赤色)を照射した。その結果、暗黒条件と比較して、青, 赤, 遠赤色光照射による根粒菌の運動性に有意な差はないことが明らかになった。このことから、根粒菌に存在する光受容体は運動性には影響を与えないという新しい知見が得られた。さらに光質による根粒菌の増殖が影響を検討するために、ミヤコグサ根粒菌野生株およびミヤコグサ根粒菌STM株の増殖をLEDライト(青, 赤, 遠赤色)照射下で調査した。その結果、暗黒条件と比較して遠赤色光照射下で最も根粒菌増殖が促進され、青色光照射下で最も根粒菌増殖が抑制された。さらに、青色光受容体遺伝子の変異した根粒菌STM株に青色光を照射した場合、根粒菌増殖は暗黒条件下と同等になることが明らかになった。このことから、遠赤色光は根粒菌の運動性には影響を及ぼさないが、根粒菌増殖には大きく影響を及ぼすことが示唆された。次に、ミヤコグサ根への光質制御による根粒着生の評価のため、角型シャーレに播種したミヤコグサに根粒菌を接種し、地上部は植物育成用蛍光灯を、地下部には遠赤色光を照射して根粒着生位置や根粒着生数を調査した。しかし、植物体によりばらつきも多いため、再現性の確認が必要であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した研究計画について、一部方法などを変更して実施したが、概ね計画通りに実施できたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究では、根粒菌の運動性に影響を与えず、増殖を促進する光質を特定することが出来た。従って今後は、小課題1および2の再現性を確認するとともに、小課題3. 根に対する補光により根粒着生がコントロールされるか?についての調査を早急に進める。さらに寒天培地上だけでなく、実際に土壌中で光質による根粒着生の制御が可能か調査する必要がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画通り研究を遂行するため、さらに情報収集や成果発表のための予算として使用する。 当初の計画通りの使用(物品費=700千円、旅費=500千円、人件費・謝金=200千円)を予定している。
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[Presentation] 菌根菌感染に対する光の影響2013
Author(s)
永田真紀, 山本直也, 有馬進, 穴井豊昭, 鈴木章弘
Organizer
植物微生物研究会第23回研究交流会
Place of Presentation
岡崎コンファレンスセンター
Year and Date
20130907-20130909
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