2013 Fiscal Year Research-status Report
リポカリンタンパク質の家畜疾病バイオマーカーとしての利用
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25660216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
福田 健二 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (80419217)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リポカリン / ウエスタンブロット解析 / バイオマーカー |
Research Abstract |
本研究は、家畜体液中に存在するリポカリンタンパク質bcOBPの発現量と各種疾病との関連の有無を明らかにし、新規バイオマーカーとしての利用可能性の検証を目的とする。本年度は、解析に必要となる抗bcOBPモノクローナル抗体を大量調製し、各種疾病に罹患した家畜の体液試料の採集ならびにその一部を用いウエスタンブロット解析を実施した。泌乳牛209頭分から乳、鼻粘液、唾液を体液試料として採集し、80%飽和硫安沈殿によりタンパク質画分を回収した。209頭の健康状態の内訳は、健常牛(n=164)およびケトーシス(n=9)、乳房炎(n=15)、蹄異常(n=5)、卵胞嚢腫(n=1)、血乳症(n=1)、下顎腫瘤(n=1)、皮膚炎(n=1)であった。また、排卵誘起(n=11)、黄体退行誘起(n=1)処置を施した個体も含んでいた。このうち、ケトーシスおよび乳房炎に罹患した個体の各種体液をウエスタンブロット解析に供しbcOBP発現量を見積もったところ、いずれにおいても健常牛(n=10)と比較して有意差は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モノクローナル抗体の大量調製を完了し、泌乳牛から体液試料を採取した。その一部を用いウエスタンブロット解析を実施した結果、泌乳牛に高頻度で見られた乳房炎あるいはケトーシスとbcOBP発現量には相関の無いことが示唆された。以上の理由から、達成度を②とした。
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Strategy for Future Research Activity |
ウシ患畜からの体液採取を進め試料数を増やすとともに、罹病したウシ以外の家畜(ブタ、ヤギ、ヒツジ)から体液の採取を進める。また、ウエスタンブロット解析により採取した体液試料中のbcOBP発現量を見積もり、各種疾病との関連性を引き続き調査する。
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