2014 Fiscal Year Annual Research Report
リポカリンタンパク質の家畜疾病バイオマーカーとしての利用
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25660216
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
福田 健二 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (80419217)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | バイオマーカー / リポカリン |
Outline of Annual Research Achievements |
抗bcOBPモノクローナル抗体を一次抗体として用いたウエスタンブロット解析により,平成26年度は,血漿中bcOBP発現量を泌乳牛201頭について調査した.また,泌乳牛(89頭),ヤギ(雌14頭),ヒツジ(雌13頭)の唾液,鼻粘液,尿,皮膚付着物中のbcOBP発現量についても調査した。泌乳牛の血漿中bcOBP発現量については,平成25年度に得られた結果と合わせ,ケトーシス(n=17),乳房炎(n=38),蹄異常(n=10),卵胞嚢腫(n=5),血乳症(n=3),下顎腫瘤(n=1),皮膚炎(n=3)に罹患した泌乳牛の各個体および排卵誘起(n=26),黄体退行誘起(n=5)処置を施した各個体いずれにおいても,健常牛(n=299)と比較して有意差は認められなかった.また,乳量,ボディコンディションスコアおよび各種血中成分濃度と泌乳牛血漿中bcOBP発現量の間に,単相関は認められなかった。一方,重回帰分析の結果から,泌乳牛血漿中bcOBP発現量と血中BUN濃度および血中カロテン濃度間にそれぞれ正および負の相関が示された.泌乳牛,ヤギ,およびヒツジの唾液,鼻粘液,尿,皮膚付着物中のbcOBP発現量に関しては,泌乳牛血漿で得た結果と同様に,各種疾病に罹患した個体と健常個体間でいずれも有意差は認められなかった。以上より,家畜体液中のbcOBP発現量の変動を疾病バイオマーカーとして用いるのは困難であることが明らかとなった。
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