2013 Fiscal Year Research-status Report
培養始原生殖細胞を用いたニワトリ突然変異ライブラリーの構築
Project/Area Number |
25660291
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
飯島 信司 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00168056)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 発生・分化制御 |
Research Abstract |
突然変異ライブラリー構築のため、始原生殖細胞(PGC)の安定した培養法の開発を試みた。転卵3日目ニワトリ胚の予定生殖巣定着時期PGCを、その支持組織である生殖隆起部細胞と共培養することで、一か月程度PGCを増殖・培養することに成功した。この培養PGCは、未分化性マーカーであるSSEA-1の発現は失われていたが、一方で生殖細胞マーカーであるCVHの発現は維持されていた。また、この培養PGCを転卵2.5日ニワトリ胚へ移植したところ、転卵10日目胚において移植細胞の生殖巣への定着を確認できた。しかし、性成熟した移植個体の雄において移植細胞由来の精子の割合は0.3%と低い値にとどまっていた。これは培養PGCの未分化性が消失していたため、生殖腺定着後に移植細胞の発生が正常に進まなかったことが原因だと推測された。そこで、転卵52時間胚において血中を循環するPGCを、STO feeder細胞上で各種のサイトカイン(bFGF,SCF,LIF)を用いて培養したところ、増殖させることはできなかったが、SSEA-1を保持したまま最大2週間までPGCを維持・培養することに成功した。さらに細胞の未分化能と増殖能の維持に関与する遺伝子としてIFITMを解析した。 一方、当研究室では過去にDNA polymeraseδの活性中心を構成する配列中のロイシン(L)をリジン(K)に変異させたL606K変異型ニワトリポリメラーゼδ遺伝子を作製し機能を解析したが、変異型Polδを導入した細胞の致死率が低く変異導入効率も悪いと推測されると同時に、増殖が遅くなっているという結果が得られた。そこで新たな変異としてL606G変異を取得することを試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
最終的に研究に用いる始原生殖細胞のマーカー維持には成功したが、移植時に培養始原生殖細胞に由来する子孫が取得できるかどうかの検討が完成していない(移植後半年以上を要するため)。また、技術的問題も無く数ヶ月以内にはできると考えられるが、DNAポリメラーゼへの変異導入が完成していない。
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Strategy for Future Research Activity |
元の計画のまま遂行する。
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