2014 Fiscal Year Research-status Report
新規バイオマーカー酸化DJ-1を用いたパーキンソン病の早期診断・早期治療法の開発
Project/Area Number |
25670084
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
斎藤 芳郎 同志社大学, 生命医科学部, 准教授 (70357060)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 酸化DJ-1 / パーキンソン病 / 酸化ストレス / モノクローナル抗体 / バイオマーカー / 早期診断 / ドパミン神経 / ELISA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、平成26年度において、前年度に引き続いて未治療パーキンソン病患者赤血球中で認められている酸化DJ-1のタンパク質化学的性質の解析を行った。その結果から、赤血球画分およびリコンビナント酸化DJ-1における高分子化がELISA測定値に大きく影響することを明らかにした。現在、相互作用する分子の同定を行っている。酸化DJ-1の免疫沈降系の構築に時間を要しているが、粘り強く今年度も検討を続けていく。また、本年度は、臨床サンプルの多検体測定を行い、100例を超える未治療パーキンソン病患者の測定を行い、これまでの再現性を確認することが出来た。更に、同一患者の経時変化の解析により、治療により酸化DJ-1レベルが低下することを認めた。本結果は、パーキンソン病病態における酸化DJ-1測定の意義を考えるする上で、重要な知見であると考えられる。さらに前年度確立した免疫染色、Western blot系の論文発表を行い、脳組織の分画とWestern blotを組み合わせ、組織サンプルの分析にも応用できた。神経毒を用いたパーキンソン病モデルマウスの構築および神経変性に伴う酸化DJ-1の増加も明らかとなってきた。これらの検討課題については、当初の計画よりも進展が見られたと考えている。以上の達成状況から、本年度はおおむね順調に進展していると評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、平成26年度において、前年度に引き続いて未治療パーキンソン病患者赤血球中で認められている酸化DJ-1の蛋白質化学的性質の解析を行った。その結果から、赤血球画分およびリコンビナント酸化DJ-1における高分子化がELISA測定値に大きく影響することを明らかにした。現在、相互作用する分子の同定を行っている。酸化DJ-1の免疫沈降系の構築に時間を要しているが、粘り強く今年度も検討を続けていく。また、本年度は、臨床サンプルの多検体測定を行い、100例を超える未治療パーキンソン病患者の測定を行い、これまでの再現性を確認することが出来た。更に、同一患者の経時変化の解析により、治療により酸化DJ-1レベルが低下することを認めた。本結果は、パーキンソン病病態における酸化DJ-1測定の意義を考えるする上で、重要な知見であると考えられる。さらに前年度確立した免疫染色、Western blot系の論文発表を行い、脳組織の分画とWestern blotを組み合わせ、組織サンプルの分析にも応用できた。神経毒を用いたパーキンソン病モデルマウスの構築および神経変性に伴う酸化DJ-1の増加も明らかとなってきた。これらの検討課題については、当初の計画よりも進展が見られたと考えている。以上の達成状況から、本年度はおおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、未治療パーキンソン病患者の赤血球中で検出された酸化DJ-1のタンパク質化学的性質を明らかにし、DJ-1の酸化メカニズムを明らかにして、パーキンソン病の抗酸化治療への展開を目的としている。本年度の検討により、臨床検体の測定値や治療による影響についてのデータがそろい、上記課題を遂行する上で重要な知見が得られた。今年度は上記知見の論文発表を精力的に進めていきたい。また、これまでに構築した特異的な免疫染色法、Western blot法をさらに発展させ、パーキンソン病モデルマウスの解析から、パーキンソン病患者で起きている酸化ストレスについて詳細な検討を進めていきたい。酸化ストレス状態の理解については困難が予想されるが、各種酸化ストレスマーカーの測定と動物モデルを用いながら研究を遂行し、最終的に治療法開発へと至る研究基盤を構築していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
次年度に繰越した生化学実験のため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度、予定していた生化学実験を行い、使用する。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Immunostaining of oxidized DJ-1 in human and mouse brain.2014
Author(s)
Yoshiro Saito*, Tomohiro Miyasaka, Hiroyuki Hatsuta, Kazuko Takahashi-Niki, Kojiro Hayashi, Yuichiro Mita, Osamu Kusano-Arai, Hiroko Iwanari, Hiroyoshi Ariga, Takao Hamakubo, Yasukazu Yoshida, Etsuo Niki, Shigeo Murayama, Yasuo Ihara, and Noriko Noguchi
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Journal Title
Journal of Neuropathology and Experimental Neurology
Volume: 73
Pages: 714-728
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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