2013 Fiscal Year Research-status Report
ISFETpHセンサーを用いた間質液pH連続測定とインスリン抵抗性発症機構解明
Project/Area Number |
25670111
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
丸中 良典 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00127036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新里 直美 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00237645)
細木 誠之 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30433254)
宮崎 裕明 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30360027)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 組織間質液 / pH |
Research Abstract |
高食塩食摂取誘因性高血圧症依存的にインスリン抵抗性が誘導されることが知られている。予備実験として、2型糖尿病モデルOLETF ラットを用いて、18週齢にて血糖値上昇と腹腔内pH 低下している事を確認済み(対照としては非糖尿病ラットであるWisterラットを用いた)。 一方血液中にはヘモグロビン・アルブミンを始めとした強力はH+緩衝物質が存在するために血液pHは大きな変動を示さない。 細胞外液pH低下によりインスリンの血糖値降下作用は減弱する。これらのことを基盤に、以下の仮説に至った。高食塩食あるいは体内エネルギー過剰産生(プロトンの過剰産生)による間質液pH低下を介して血糖値制御におけるインスリン作用減弱をもたらし、高インスリン血症を誘引する。インスリン抵抗性発症のトリガーが間質液pH低下による事を明らかにするために上記の仮説を証明する。培養液pHは、イオン感応性電解効果型トランジスタpHセンサーを用いて培養期間中の培養液およびアンチモン製pH電極を用いてラット腹腔内間質液pHを連続的に測定することにより、以下の実験を行なう。細胞実験:骨格筋L6細胞を種々のpHの培養液中で培養し、インスリン受容体へのインスリンの結合親和性・インスリン受容体リン酸化・細胞内シグナル(インスリンの受容体への結合能,インスリン受容体リン酸化、 AKT、グルコース取り込み)への培養液pHの影響を検証する。モデル動物実験:2型糖尿病モデルラットであるOLETFラットを用い、血糖値・血圧・血中インスリン活性・インスリン受容体リン酸化・間質組織液のpHとの関連性を明らかにする。糖尿病患者での代謝異常誘因性組織間質液pH動態異常がインスリン抵抗性を誘発するという全く新規の発想に基づいて、インスリン抵抗性発症機構を解明し、臨床応用のための基礎実験を行なう。糖尿病という代謝異常疾患の病態改善および予防法を開発するという点において他に類を見ない研究である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
骨格筋細胞を用いて、細胞外pHを低下させることにより、インスリンの受容体への結合能,インスリン受容体リン酸化、 AKT、グルコース取り込みが低下することを明らかにした。Hayata H, Miyazaki H, Niisato N, Yokoyama N, Marunaka Y. Lowered extracellular pH is involved in the pathogenesis of skeletal muscle insulin resistance. Biochem Biophys Res Commun. 2014;445(1):170-174. さらに、糖尿病ラットの海馬(記憶に重要な働きを担っている)周囲組織間質液pHも正常ラットに比し、低下していることも見出した。Yoshinori Marunaka, Kanji Yoshimoto, Wataru Aoi, Shigekuni Hosogi, Hiroshi Ikegaya. Low pH of interstitial fluid around hippocampus of the brain in diabetic OLETF rats. Molecular and Cellular Therapies. 2014;2:6. 以上のことより、当初の計画以上に研究は進んでいると確信している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、糖尿病における組織間質液pH低下を引き起こす原因をミトコンドリア機能との関連でその原因解明に向け、実験を行なっている。ミトコンドリア機能は、細胞レベルでの酸素消費量測定を行うことにより検証する。ミトコンドリアにおける TCA cycle でのATP生成の定量と高濃度糖の負荷との関係を明らかにし、高カロリー摂取がミトコンドリア機能に如何なる影響を与えるかを検証する
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[Journal Article] Role of the Na+/K+/2Cl- cotransporter NKCC1 in cell cycle progression in human esophageal squamous cell carcinoma2014
Author(s)
Shiozaki A, Nako Y, Ichikawa D, Konishi H, Komatsu S, Kubota T, Fujiwara H, Okamoto K, Kishimoto M, MARUNAKA Y, Otsuji E.
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Journal Title
World J Gastroenterol (in press)
Volume: in press
Pages: in press
Peer Reviewed
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[Journal Article] A PKG inhibitor increases Ca2+-regulated exocytosis in guinea pig antral mucous cells: cAMP accumulation via PDE2A inhibition2013
Author(s)
Tanaka S, Tanaka R, Harada S, Kohda Y, Matsumura H, Shimamoto C, Sawabe Y, MARUNAKA Y, Kuwabara H, Takahashi Y, Ito S, Nakahari T
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Journal Title
Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol
Volume: 304
Pages: G773-G780
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] What is the role of interstitial pH in diabetes mellitus? Improving action of propolis on DM symptom via pH regulation2013
Author(s)
MARUNAKA Y, Aoi W, Hosogi S, Niisato N, Yokoyama N, Hayata H, Miyazaki H, Kusuzaki K, Taruno A, Nomura T.
Organizer
The 16th International Symposium on Molecular Medicine
Place of Presentation
Creta Maris, Hersonissos, Crete, Greece
Year and Date
20131010-20131012
Invited
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