2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25670151
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
藤原 俊伸 名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (80362804)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | RNAアプタマー |
Outline of Annual Research Achievements |
スフィンゴシン1-リン酸(S1P)は生体膜構成成分スフィンゴ脂質の代謝産物であり、細胞表面に発現しているスフィンゴシン1-リン酸受容体(S1PR)と結合し、細胞遊走などの生理活性を発揮する。S1PRはGタンパク質共役型受容体(GPCR)であり、これまでに5つのサブタイプが同定され、それぞれ組織特異的に発現している。そして、近年S1PRがガンの悪性化に深く関わることが明らかになってきていおり、腫瘍マーカーとしての位置づけも重要となってきた。現在、受容体を標的とする腫瘍イメージングは、RI標識したリガンドおよびリガンドアナログを用いて行われている。また、抗腫瘍作用を有するリガンドの開発も盛んに行われている。しかしながら、従来の治療・診断用物質は、標的となる腫瘍細胞表面の受容体のみならず、正常細胞に発現している受容体とも交差反応するために、診断精度・治療上の安全性に問題が指摘されている。そのため、サブタイプ特異的作動薬および診断薬の開発が期待されている。そこで、S1PRの各サブタイプと特異的に結合できる人工リガンドを「RNA」という高分子マテリアルを利用し、創製することを試みている。 本年度は昨年度調製を試みたヒトSIPR由来ペプチドを用いたSELEX法を試みた。しかしながら、調製したペプチドが非常に不安定であり、SELEX作業中に随時分解していくことが確認された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒトSIPR由来ペプチドを用いたSELEX法を試みた。しかしながら、調製したペプチドが非常に不安定であり、SELEX作業中に随時分解していくことが確認された。従って、whole cell SELEX法の事前段階として必須である組み換えタンパク質を用いたSELEX法が実施できず、現在ペプチド合成を検討している。
|
Strategy for Future Research Activity |
SIPRの細胞表面に出ているペプチド部分の全合成を検討している。また、その際ペプチドのC末端をbeadsと架橋して固定する、あるいはビオチンを付加してpull downを容易にする方法を検討している。これらの方法は研究代表者が精通した手法であり、合成を急ぐ。
|