2014 Fiscal Year Annual Research Report
次世代型抗感染症薬となるエフェクター機能阻害剤の探索研究
Project/Area Number |
25670208
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山本 友子 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (60110342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 慶治 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (00554586)
高屋 明子 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (80334217)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 次世代抗感染症薬 / エフェクター / 薬剤耐性 / 病原性 / E3リガーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
薬剤耐性を克服できる抗感染症薬は「菌を殺さずにその病原力のみを阻害する薬剤」である。申請者は、長年にわたり蓄積してきたサルモネラの感染生物学的研究成果と最近導入したバイオインフォマティクスの研究成果に基づいて、広範な病原細菌に保存されている病原エフェクターの機能阻害物質が「菌を殺さずにその病原力のみを阻害する薬剤」となりうると考え、本研究に着手した。サルモネラのSlrPは、ユビキチン化反応におけるE3ユビキチンリガーゼ活性を有する病原エフェクターの1種である。SlrPを用いたユビキチンアッセイ系を樹立し、阻害物質の探索を行うと同時に、E3ユビキチンリガーゼ活性を有する他のエフェクターSspH1, SspH2を用いたアッセイ系の確立に取り組み、本年度は下記の成果を得た。 1) SlrPの高発現系を樹立し、これを用いてSlrPの大量精製に成功した。SlrPの基質としてHuman Thioredoxinを用いたBiotin/Streptavidin ポリユビキチン化測定法を確立し、測定法の適正化を行った。 2)構築したポリユビキチン化測定法で、千葉大学キラリティライブラリー57種について、それぞれ最終濃度10nM を添加して阻害活性を検討したが、この中に阻害活性物質は含まれていなかった。 3) SspH1, SspH2を大量精製し、これらを用いて Human Thioredoxinを基質としたBiotin/Streptavidin ポリユビキチン化測定法を確立した。 4) SspH2については、基質蛋白質が未解明であったことから、マクロファージ様細胞RAW264.7 の細胞質画分を用いてポリユビキチン化測定を行った。その結果、明らかにTR-FRET値の上昇が確認できたことから、SspH2の基質となる標的分子の同定が可能となった。
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