2014 Fiscal Year Annual Research Report
自然免疫活性化機構を利用した新規ウイルスベクターの作製
Project/Area Number |
25670225
|
Research Institution | 独立行政法人医薬基盤研究所 |
Principal Investigator |
保富 康宏 独立行政法人医薬基盤研究所, 霊長類医科学研究センター, センター長 (90281724)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 健太 山口大学, 共同獣医学部, 助教 (20582208)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | ワクチン / HPIV2 / ウイルスベクター / 結核 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトパラインフルエンザ2型ウイルス(HPIV2)は病原氏が極めて低く安全なベクターとして考えられている。本研究ではその安全性を高めるために複製を阻害することを目的に種々の遺伝子を欠損させたウイルスを作製し、さらに複製不全にもかかわらず、免疫原性を損なわないことを目的に新たな遺伝子欠損非複製型HPIV2ベクターの作製を行った。複製を阻止するためにMタンパク、Fタンパク、HNタンパク、Vタンパクの各遺伝子の欠損株を作製し、挿入抗原の発現とタイプIインターフェロンの産生を比較したところ、Mタンパク遺伝子欠損HPIV2が最も自然免疫の誘導が低いものであった。この最も自然免疫が低いM遺伝子欠損型HPIV2に結核菌分泌抗原Ag85B遺伝子を組み込んだrHPIV2-Ag85Bを作製し、Ag85B特異的免疫反応の誘導および結核菌攻撃に対するワクチン効果を検討したところ、Ag85B特異的免疫が誘導され、結核に対するワクチン効果も確認された。HPIV2自身はRIG-Iレセプターを介して自然免疫を誘導していることが判明したが、この抑制を誘導するタンパクとしてVタンパクが同定された。このVタンパク遺伝子を欠損させたHPIV2は通常の細胞では複製せずインターフェロン遺伝子を取り除いた細胞でのみ複製が認められた。 以上、本研究では非複製型HPIV2を種々の遺伝子欠損で作製し、新たなワクチンベクターになる可能性を示した。
|
Research Products
(3 results)