2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25670269
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
和田 隆志 金沢大学, 医学系, 教授 (40334784)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 蛋白尿 / ネフローゼ症候群 / オミクス / プロテオーム / 透過性因子 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
腎臓病において、蛋白尿は腎機能低下、全死亡ならびに心血管系死亡と密接に関連する。そのため、蛋白尿の出現機序に関連する分子の同定、その診断、治療反応性、予後を反映するバイオマーカー確立は腎臓病の予後改善にむけて重要な課題である。しかしながら、蛋白尿を惹起する透過性因子はいまだに明らかではない。 本研究の目的は、オミクス技術を用いてネフローゼ症候群患者の血清中における糸球体透過性因子の探索を行うことである。これまで、白血球除去療法(LCAP)を行ったネフローゼ症候群のうち、巣状分節性糸球体硬化症および微小変化型ネフローゼ症候群の蛋白尿の出現、病勢と相関性の高い因子をプロテオーム解析により抽出した。方法として、前処理した血清サンプルをiTRAQ試薬でラベル化した後、精製・脱塩処理を通じて、LC-MS/MS分析を行った。このうち、用いたチップで検出された血清中のペプチド発現と臨床的な蛋白尿の極期、寛解時の変化、LCAPとの相関が強いものを選択した。その結果、発症時、再燃時に上昇し、LCAPで低下するもの、逆に蛋白尿と逆相関するペプチドもそれぞれ数個特定した。寛解時に比較して発症時および再燃時において3倍以上の発現が確認された因子として4つが抽出された。このうち、LCAPで低下するものとして、ひとつが抽出された。これらは、上記ネフローゼ症候群の原因となる糸球体透過性因子または蛋白尿の極期を診断するマーカー候補となる可能性がある。一方、寛解時に比較して発症時および再燃時において0.5倍以下に低下する9因子が抽出された。これらのうち、LCAPにより、相対的発現量が増加する6種類が抽出された。これらについては、腎臓において抗蛋白尿効果を有する保護的因子としての可能性がある。これらの病態にはたす意義について解析をさらに進めている。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Pro-inflammatory/Th1 gene expression shift in high glucose stimulated mesangial cells and tubular epithelial cells.2014
Author(s)
Iwata Y, Furuichi K, Hashimoto S, Yokota K, Yasuda H, Sakai N, Kitajima S, Toyama T, Shinozaki Y, Sagara A, Matsushima K, Kaneko S, Wada T
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Journal Title
Biochem Biophys Res Commun
Volume: 443
Pages: 969-74
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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