2014 Fiscal Year Annual Research Report
スマートフォン・アプリケーションを用いた月経前症候群(PMS)診断法の開発
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25670296
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
江川 美保 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50600061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粂 直人 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (00456881)
岡本 和也 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60565018)
青山 朋樹 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90378886)
小西 郁生 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90192062)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 月経前症候群(PMS) / 月経随伴症状 / 症状記録 / スマートフォン・アプリケーション / セルフケア |
Outline of Annual Research Achievements |
性成熟期女性のQOLをしばしば損なう月経前症候群(PMS)は心身の症状が月経前に出現し¬¬¬月経開始に伴い減退する病態であるが、その診断は患者自身による前方視的記録に基づく症状の出現時期と反復性の確認に依る。従ってPMSを正しく診断し適切に治療を行うには、患者の症状記録を医師-患者間で共有し確認することが前提になる。我々はこれを効率よく実践する目的で、患者が月経の状態や全般的な体調とPMSの診断基準にある症状の有無を簡便に入力できるアプリと、その内容を病院内のサーバに保管して主治医は電子カルテで、患者はスマートフォンで閲覧できるシステムを開発し、京都大学医学部附属病院産婦人科外来にて臨床使用を開始した。通院する患者28人を対象にアプリ記録群と従来法である紙記録群にランダムに割り当て症状記録を84日間継続させたfeasibility studyにおいて、両群ともに心理的負担やデータ管理上の有害事象は出現せず、症状記録頻度は両群間において有意差がないこと(症状記録平均日数:アプリ群59.2±16.4日、紙群65.3±26.8日、p=0.483)が示された。症状記録後のアンケートの結果、症状記録によって主治医とのつながりを感じる傾向はアプリ群に、内省やセルフケアが促される傾向は紙群に、より強く表れた。アプリ群では記録の簡便さやデータの見やすさなどのメリットが認識される一方で、紙記録群では面倒さや煩雑さが指摘された。総じて、我々の開発したアプリは従来の紙媒体への記録法に劣らない症状記録法であり、かつ、患者にとっては記録の簡便さ、医師にとっては症状変調の把握のしやすさ、そして両者にとってデータの同時共有が可能である点においては、アプリの方が優れていることが示された。今後はPMSの未診断・未治療のケースにおいてデータを蓄積しPMSの自動診断を可能にするアルゴリズムを作成に努めたい。
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Research Products
(1 results)