2014 Fiscal Year Research-status Report
遺伝子発現制御システムを用いた新規予防医学的バイオマーカーの開発
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25670301
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
牟礼 佳苗 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90268491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 達也 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20150310)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | miRNA / エクソソーム / 遺伝子発現 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
遺伝子発現制御システムであるマイクロRNA(miRNA)の体内動態を利用した、加齢に伴う疾患(メタボリックシンドロームおよびアルツハイマー型認知症等)の共通発症基盤であるインスリン抵抗性や血管内皮機能障害について、発症の初期段階を検出する鋭敏な新規バイオマーカー開発を目的として研究を行っている。 平成26年度においては、まずヒト正常組織由来細胞における、機能解析を進めた。血管内皮細胞(HUVEC)を用い、血管内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)遺伝子の発現に対するエストロゲンの影響について解析した。 また、平成25年度に実施した地域住民コホート2,500人のうち、加齢に伴う疾患のリスク群およびコントロール群50人を抽出し、解析対象とした。 尿および血清中から回収したエクソソームからsmallRNAを抽出し、インスリン抵抗性、血管内皮機能、動脈硬化との関連が報告されているmiR-16、miR-21、miR-26、miR-33、miR-103、miR-107、miR-122、miR-124、miR-126、miR-143、miR-146、miR-181、miR-222、miR-223およびlet-7gとそのfamilyについて解析した。 また、サンプルの保存方法、期間のmiRNA発現量への影響についても評価を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
年度開始早々に実施した細胞の実験が、遺伝子導入に想定していたよりも時間を有し、条件設定が誤っていたことが判明したため、大幅に遅れた。そのため、尿中および血中バイオマーカー実験がほとんど行えず、全体的にプロジェクトの進捗は遅れてしまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に確立した尿中エクソソームおよび血清中エクソソームの回収方法を用い、予定していた全サンプルの測定を行う。また、昨年度測定しているサンプルについても、長期間の凍結保存の影響についても調べる。前期中にmiRNA解析を終了する。 メタボリックシンドローム・血管内皮機能・インスリン抵抗性・動脈硬化等との関連が報告されており、すでに解析を始めている血管内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)やペルオキシゾーム増殖因子活性化受容体遺伝子(PPARG、PPARA)の遺伝子型を決定する。 動脈硬化やインスリン抵抗性、認知機能障害の各指標と、これらの遺伝子型、miRNA発現を総合的に解析し、バイオマーカーとしての鋭敏性について検討する。
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Causes of Carryover |
当初計画していた実験がとどこおったため、未使用の予算が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当該年度と合わせて、エクソソーム回収キット、miRNA発現定量等、計画通りの測定を実施する。
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