2013 Fiscal Year Research-status Report
痛風遺伝子の分子遺伝疫学的解析によるパーキンソン病の新規予防因子の解明
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25670307
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
松尾 洋孝 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 講師 (00528292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四ノ宮 成祥 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 教授(Professor) (40505260)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 分子疫学 / ゲノム / 遺伝子 / 神経疾患 |
Research Abstract |
本研究では、分子遺伝疫学的解析によるパーキンソン病の新規予防因子を同定し、その予防医学への応用を目指すために、以下の(1)から(3)の観点から研究を実施している。 (1)パーキンソン病の遺伝学疫学的研究の基盤となる研究リソースの構築:「分子機能に基づく分子遺伝疫学的解析」を適応可能な形で検体を収集し、研究基盤が構築されつつある。学内外複数の研究機関とも共同研究体制ができており、特に2013年10月の国際パーキンソン病ゲノム分子疫学コンソーシアム(GEO-PD)に出席し、国際共同解析の提案をし、今後大規模な解析を行うことができるような基盤を整えた。 (2)痛風遺伝子ABCG2の病因変異(多型)とパーキンソン病の関連解析:これまでに報告してきた、ABCG2の頻度の高い一塩基多型(SNP)の評価を少数例で予備的に実施し、現在その実験結果をまとめている。最終的に上記の大規模な例数での解析により精度の高い発症リスクの算定を行う。 (3)痛風遺伝子ABCG2以外の尿酸関連遺伝子を対象としたパーキンソン病の関連解析:我々は別途、痛風のゲノムワイド関連解析(GWAS)を実施しており、すでにゲノムワイド有意なSNPと遺伝子を複数見いだした。ABCG2遺伝子同様これらの遺伝子についても、少数例での予備的な評価を開始していく予定である。また本研究期間中には、さらなる新規遺伝子の同定も期待され、適宜評価を開始していく計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パーキンソン病のサンプル収集と臨床データの収集は予定通りに進展している。また、国際パーキンソン病ゲノム分子疫学コンソーシアム(GEO-PD)にて国際共同解析を提案したことで、今後大規模な解析を行える基盤を整えた。 解析対象としている痛風遺伝子ABCG2についても少数例での研究を実施し、上記の大規模な症例での解析への発展が出来る状態になりつつある。以上から、本研究の目的達成を目指せる体制が構築できている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
パーキンソン病のゲノムサンプルの収集をさらに充実させるとともに、血清及び尿中尿酸値を含む臨床情報の収集に努める。また国際パーキンソン病ゲノム分子疫学コンソーシアム(GEO-PD)との国際共同解析も推進させる。すでに、収集されたサンプルについては、現在、痛風遺伝子ABCG2を対象とした遺伝子解析が進行中であり、これらの解析結果についても評価を進めていく。さらに、痛風のGWASの結果も踏まえ、ABCG2以外の候補遺伝子の絞り込みを進め、今後のパーキンソン病の解析に備えていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度の遺伝子解析は、これまでに我々が報告してきたABCG2遺伝子の頻度の高い一塩基多型(SNP)を、少数例で予備的に実施した。この結果により、国際パーキンソン病ゲノム分子疫学コンソーシアム(GEO-PD)との国際共同解析を行うことが可能となった。このため次年度に追加解析を実施することとなり、そのための予算を次年度用に確保することが必要となった。 本研究課題においては、遺伝子解析が重点項目であるため、研究費は主に遺伝子解析の試薬などの消耗品の購入に使用する。特に次年度は、国際パーキンソン病ゲノム分子疫学コンソーシアム(GEO-PD)をはじめとする多施設との共同解析にも備えた解析にも使用する。また、それらの成果発表のため、及び共同解析の調整を図るため、学会などの参加のための旅費にも用いる。
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[Journal Article] ABCG2 dysfunction causes hyperuricemia due to both renal urate underexcretion and renal urate overload.2014
Author(s)
Matsuo H, Nakayama A, Sakiyama M, Chiba T, Shimizu S, Kawamura Y, Nakashima H, Nakamura T, Takada Y, Oikawa Y, Takada T, Nakaoka H, Abe J, Inoue H, Wakai K, Kawai S, Guang Y, Nakagawa H, Ito T, Niwa K, Yamamoto K, Sakurai Y, Suzuki H, Hosoya T, Ichida K, Shimizu T, Shinomiya N.
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Journal Title
Sci Rep
Volume: 4
Pages: 3755
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Common dysfunctional variants in ABCG2 are a major cause of early-onset gout.2013
Author(s)
Matsuo H, Ichida K, Takada T, Nakayama A, Nakashima H, Nakamura T, Kawamura Y, Takada Y, Yamamoto K, Inoue H, Oikawa Y, Naito M, Hishida A, Wakai K, Okada C, Shimizu S, Sakiyama M, Chiba T, Ogata H, Niwa K, Hosoyamada M, Mori A, Hamajima N, Suzuki H, Kanai Y, Sakurai Y, Hosoya T, Shimizu T, Shinomiya N.
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Journal Title
Sci Rep
Volume: 3
Pages: 2014
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] ABCG2 SNP typing by HRM method; an effective method for gout/hyperuricemia risk evaluation.2013
Author(s)
Takada Y, Matsuo H, Sakiyama M, Nakayama A, Fuji A, Shimizu S, Chiba T, Nakasima H, Matsumura K, Suzuki K, Hamajima N, Niwa K, Suzuki S, Uchino S, Kobayashi Y, Shinomiya N.
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Journal Title
J Clin Welfare
Volume: 10
Pages: 64-69
Peer Reviewed