2015 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠呼吸障害が網膜細小血管系に与える影響:循環器疾患の危険予測を目指して
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25670308
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Research Institution | 公益財団法人大阪府保健医療財団大阪がん循環器病予防センター(予防推進部・循環器病予防健診部・健康開発 |
Principal Investigator |
川崎 良 公益財団法人大阪府保健医療財団大阪がん循環器病予防センター(予防推進部・循環器病, その他部局等, その他 (70301067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 良匡 筑波大学, 医学医療系, 講師 (20375504)
磯 博康 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50223053)
谷川 武 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80227214)
北村 明彦 公益財団法人大阪府保健医療財団大阪がん循環器病予防センター(予防推進部・循環器病, その他部局等, その他 (80450922)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 網膜血管 / 睡眠呼吸障害 / 危険因子 / 肥満 / 動脈硬化 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:今回、睡眠呼吸障害が循環器疾患の危険を高める機序を考える上で細小血管にどのような影響を来しているのかを新しい網膜血管解析を用いて明らかにすることを目的とした。 方法:疫学研究コホートCirculatory Risk in Communities Study (CIRCS)のデータを用いた。網膜血管解析として定量的で半自動、再現性が高い網膜血管径をCentral Retinal Artery Equivalent (CRAE)とCentral Retinal Vein Equivalent (CRVE)の指標として用いた。SDBの診断は終夜パルスオキシメータ検査PULSOX IFおよびDS-3 version 2.0a(ミノルタ)で収集、解析済みのデータを用い、酸素飽和度の低下を指標として3% 酸素飽和度低下指数oxygen desaturation index (3%ODI)が睡眠1時間あたり5回以上と誤解未満とに分け説明変数として用いた。 結果:網膜血管径測定と終夜パルスオキシメータ検査の結果の双方を有するものが2784名おり、解析対象とした。3%ODI5回/時間未満者と5回以上者のCRAE/CRVEはそれぞれ146.1μm/211.9μm、144.7μm/212.5μmであった。年齢、性別、喫煙習慣、飲酒習慣、総コレステロール、中性脂肪、収縮期血圧およびCRVEに対してCRAE、CRAEに対してCRVEを加えた多変量回帰モデルで、3%ODI5回/時間以上は5回未満に比べてCRVEが有意に大きかった(+1.51μm, 95%信頼区間0.15, 2.86; p=0.030)。しかし、この差はさらにBMIで調整を行うと減弱し、有意な関連は見られなくなった。 結論:網膜血管径の中でも網膜中心静脈径の指標であるCRVEは、BMIで調整する前は有意に3%ODI5回/時間以上者で高いものの、BMIで調整するとその差は現弱した。網膜静脈径はBMIと有意に関連することが報告されていることから、睡眠呼吸障害と網膜静脈径拡大の関連は肥満によって説明されるものであると考えられた。
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Research Products
(4 results)