2013 Fiscal Year Research-status Report
手術時における術者の音声および他の生理的指標と疲労,ストレスの関連についての検討
Project/Area Number |
25670334
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤原 道隆 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院准教授 (70378222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 健策 名古屋大学, 情報連携統括本部, 教授 (10293664)
安田 あゆ子 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (30402613)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 医療の質 / 医療安全 |
Research Abstract |
手術室における医療安全は,これまでの患者監視システムの改良,手術部位感染(SSI)対策,患者情報確認など,総じてヒューマンエラーに対する対策,さらに術者のスキルに関しては,技術訓練のほか,ノンテクニカルスキル(NOTSS)といった概念など多方面からのアプローチが進行している.しかし,手術スタッフのコンディションに関しては,未だほとんど取り組みがなされていない.手術中の術者の疲労やストレスが医療の質や安全に与える影響は少なくないが,最近増加している低侵襲手術では,患者にはやさしい反面,術者には逆に負担が大きいと言われている.術者の疲労やストレス状況の評価に関しては循環系などでごく限られた知見を得ているに過ぎない.本研究は,全く新しい指標として術者の音声を解析し,手術進行状況との対比,検討し,手術中の術者の疲労やストレスと音声の関連を調べる. 初年度は,音声を数値として解析する方法,特に経時的に変化を分析できるパラメータの抽出と,測定,データ処理の方法を研究した.この結果,術者の疲労やストレスなどを反映する可能性があり,かつ測定,処理しやすい指標として音圧と周波数を用いることにした.具体的な方法は,まず,マイクで取得した術者音声データを音圧閾値処理,FIRフィルタを使用したフィルタリングを行う.1秒程度の計測ウインドウ 内で,最大の音圧 (振幅) を記録,この時間も記録する.周波数は,ウインドウ内のデータに対し高速Fourier変換 (FFT) を行い,最大振幅の周波数を求め,ウインドウの中心点を時間データとして採用しする.ウインドウをシフトし順次処理し音声周波数の時系列データを作成する.という測定システムを作成した.手術室で測定可能なようにWindows上で作動するソフトウェア化した.さらに,研究室内において,音声を記録,グラフ化できることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
目的の音声変化の解析には,音声を時系列データとして処理する測定系を構築する必要があるが,上述のようにシステムの大まかなところは作成された.ただ,まだ試作なので長時間の連続測定が可能なように改良する必要があり,実際の測定を行いながら作り込むことになる.平成25年度中に測定にとりかかる予定であったが,手術室で測定できるまで作り込むに至らなかったので,若干予定より遅れた.
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Strategy for Future Research Activity |
作成した測定システムは,短時間の試用においてデータが取得できるのを確認したが,平成26年度においては,実際の手術における長時間測定を行いながら,並行して計測システムの改良を進めていく予定である.さらに,得られた時系列データと手術状況の関連づけを検討し,音声パラメータの変化により術者の疲労,ストレスを評価できるかどうか研究する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
開発した測定システムをWindow上で動作させるソフトウェア製作を外注していたが,最終版の納品が平成26年4月となったため,支払いが平成26年度となった. 測定ソフトウェアとライブラリ化ソフトウェアで180万円を本年4月に支出予定.
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