2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25670337
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
中田 善規 帝京大学, 大学院公衆衛生学研究科, 教授 (60287018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 利仁 千葉大学, 医学部附属病院, その他 (40431308) [Withdrawn]
大嶽 浩司 昭和大学, 医学部, 教授 (50338696)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 効率性 / 生産性 / 手術医療 / データ包絡分析 / Malmquist指数 |
Outline of Annual Research Achievements |
効率的な手術医療は急性期病院経営管理の要諦であると同時に、医療政策・医療経済上も極めて重要な意味を持つ。手術医療は患者一人に対して短時間に莫大な人的・物的医療資源を必要とするという特徴がある。従来の手術医療の効率化は患者入れ替え時間の短縮や手術直後回復室の活用などが中心であった。しかし手術室占拠時間の大部分を占める手術医療本体部分に関してはブラック・ボックス状態で、手付かずであった。本研究では、①この手術本体部分の効率性を科学的に測定・検証し、②その中から効率的で生産性の高いベンチマーク(ベスト・プラクティス)を同定し、③その最も効率的で生産性の高い手術室運営に至る道筋を示すことを目標とし、もって急性期医療の諸問題の解決に資することを目的とした。 本研究の実績としては次の2つが挙げられる。①現行(2013年当時)の診療報酬体系は手術医療の資源利用状況を正確に反映していないということが証明された。外科系診療科によって資源利用は大きく異なり、この違いが診療報酬額の違いに結びついていない。この研究ではデータ包絡分析法を日本の診療報酬制度に初めて応用した(Int J Health Serv 2015; (in press))。②外科医の生産性は新年度開始直後には低く、その後上昇することが証明された。その理由として、卒後外科教育の負担が考えられるので、診療報酬制度はこの卒後教育負担を考慮したものにすることが推奨される。この研究ではMalmquist指数を日本の診療報酬制度に初めて応用した(J Surg Educ 2015; 72:128-34)。 2年間の本研究で以上のような実績をあげることができた。
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