2014 Fiscal Year Research-status Report
フレイルティリスクとしての自律神経機能障害:立位負荷による評価
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25670353
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
小原 克彦 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30260384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越智 雅之 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教(病院教員) (80648171)
永井 勅久 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90464370)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 自律神経機能 / 起立性低血圧 / フレイルティ / 老年医学 / 動脈硬化 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗加齢ドック受診者を対象として3分間の起立前後に心拍をモニターし、起立負荷時の自律神経機能を連続的にパワースペクトル解析により定量評価した。心拍変動成分をパワースペクトル解析にて0.15Hzまでの低周波(LF)成分と0.15-0.25Hzの高周波(HF)成分に分解し、これにより自律神経機能をトータル成分(全自律神経機能)、HF成分(副交感神経機能)、LF/HF比(交感神経機能)に分けて評価した。安静時および起立時にそれぞれ定量化し、老化関連因子との関連性を調べた。現在まで190例の測定が終了しており、125例において解析を行った。 起立に伴い収縮期血圧は131±20mmHgから-1.2±12.3mmHg低下した。LF成分は、210±326から477±468 msec2へと有意に増加した。HF成分の変化は144±160から157±143 msec2で有意ではなかった。起立性の血圧変化はLF成分の変化と有意な正相関を示したが、HF成分の変化とは相関しなかった。ベースのLF成分 (r=-0.33, p<0.001)、HF成分 (r=-0.18, p<0.05)はいずれも年齢と有意な負の相関を示したが、立位後の各成分および立位に伴う各成分の変化は、いずれも年齢とは相関を示さなかった。 安静時のHFは脈波伝搬速度(r=-0.18, p<0.05)とLF成分は脳MRIによる白質障害(r=-0.25, p<0.05)と開眼片足立ち時間(r=0.22, p<0.05)と有意な相関を示した。立位後はHF成分(r=-0.22, p<0.05)、LF成分(r=-0.18, p<0.05)もいずれも脈波伝搬速度と相関を示したが、その他の老化指標とは相関しなかった。 これらの結果は、安静時の自律神経機能は老化指標と関連し、起立性の自立神経機能変化は血圧変化と関連性が高いことを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の症例数の蓄積が少なかったが、2年度は150例の症例の蓄積が出来た。初年度に認められた計測上も問題点も解決されており、今後も同様のペースでの症例数の蓄積が可能であり、研究終了までに300例を超える症例の解析が可能と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の中間検討では、立位負荷によるパワースペクトル成分の変化は、起立性の血圧変化とは有意に関連していたが、動脈スティフネス以外の老化指標との関連性は認められなかった。一方、安静時の各周波数成分は、年齢を始めとした血管、脳、神経性調節機能などの老化指標と関連しており、自律神経機能低下がフレイルの要因である可能性を示唆する。 今後は、症例数の蓄積を行い、結果をより明確にするとともに、立位時のパワー成分変化をより詳細に検討し、起立直後や起立負荷終了直前など、立位負荷に伴う要因の変化を考慮に入れた解析を加えたい。
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Causes of Carryover |
論文の英文校正分が来年度に繰り越したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度に英文校正を実施し、繰り越し分を使用する。
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Research Products
(21 results)
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[Journal Article] Association of postural instability with asymptomatic cerebrovascular damage and cognitive decline: the Japan Shimanami health promoting program study.2015
Author(s)
Tabara Y, Okada Y, Ohara M, Uetani E, Kido T, Ochi N, Nagai T, Igase M, Miki T, Matsuda F, Kohara K.
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Journal Title
Stroke
Volume: 46
Pages: 16-22
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Postprandial hypotension as a risk marker for asymptomatic lacunar infarction.2014
Author(s)
Tabara Y, Okada Y, Uetani E, Nagai T, Igase M, Kido T, Ochi N, Ohara M, Takita R, Kohara K, Miki T.
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Journal Title
J Hypertens
Volume: 32
Pages: 1084-1090
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 高血圧と認知症2014
Author(s)
小原克彦
Organizer
第56回 日本老年医学会
Place of Presentation
福岡
Year and Date
2014-06-12 – 2014-06-14
Invited
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