2013 Fiscal Year Research-status Report
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25670451
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金倉 譲 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20177489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 則充 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30597399)
一井 倫子 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座助教 (30633010)
織谷 健司 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70324762)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 内科 / 老化 |
Research Abstract |
Special AT-rich sequence binding protein 1 (SATB1)は、クロマチン構造制御分子である。SATB1欠損マウスはリンパ球が著明に減少していること、SATB1遺伝子導入した造血幹細胞はリンパ球産生能が著明に亢進すること、などを明らかにした。DNA array解析を行った結果、SATB1が発現すると一連のリンパ球関連遺伝子の発現が誘導されることが判明した。リンパ球産生能が低下することは造血幹細胞の老化に伴う代表的な変化であるが、加齢造血幹細胞はSATB1発現が低下しておりSATB1遺伝子導入によりリンパ球産生能が回復することが判った。さらに、造血細胞におけるSATB1発現をモニターするために、SATB1ローカスの片アレルに赤色蛍光たんぱく質tomatoをノックインしたSATB1レポーターマウスの作製にも成功した。 Wnt関連分子であるsoluble Frizzled-related protein (sFRP)-1, 5を免疫グロブリンkappa鎖プロモーター下流で発現するトランスジェニックキメラマウスを作製した。sFRP-5を過剰発現するマウスでは、骨髄・脾臓のリンパ球が著明に減少していた。 老化に伴うリンパ球産生抑制への関与をin vitro実験系で提唱してきたSATB1とsFRPについて生体内での役割を明らかにできた。 ヒト血清を用いて老化関連遺伝子発現を解析することを目的として、予備的検討ではあるが、血清中のcell-free nucleic acidの精製およびPCRに成功しており、予定している解析実験系を確立できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
老化に伴うリンパ球産生抑制への関与をin vitro実験系で提唱してきたSATB1とsFRPについて生体内での役割を明らかにできた。また、血清からのDNA抽出・PCRの実験系を確立できた。予定通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) SATB1レポーターマウスを用いたSATB1発現細胞の解析:SATB1-tomatoマウスを用いて、造血幹細胞・Lymphoid-primed multipotent progenitor (LMPP)・common lymphoid progenitor (CLP)各分画におけるSATB1-RFP発現変化を若年/老齢マウス間で比較を行なう。 (2) 末梢血の解析に基づく個体老化評価パネルの作製:老化に関連する遺伝子群(p53, p16INK4a, ATM, Sirt1, DNMTなど)のRNA定量、および、老化関連miRNA(miR-145, miR-140, miR-100, miR-217, miR-34aなど)および25年度で行った実験情報によるWnt関連やSATB1発現などmiRNAのプロファイリングを行う。 (3) 個体老化評価パネルの整合性の確認:年齢ファクターに加えて老化関連病態(白内障・筋力・脳血管障害・耐糖能異常・免疫不全など)と個体老化パネル上での点数との相関関係を確認する。ボランティアを募り、個体老化評価パネル上での点数により分類したグループにおける老化関連疾患の発症に関する追跡調査を行う。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] The Satb1 Protein Directs Hematopoietic Stem Cell Differentiation toward Lymphoid Lineages2013
Author(s)
Satoh Y, Yokota T, Sudo T, Kondo M, Lai A, Kincade PW, Kouro T, Iida R, Kokame K, Miyata T, Habuchi Y, Matsui K, Tanaka H, Matsumura I, Oritani K, Kohwi-Shigematsu T, Kanakura Y
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Journal Title
Immunity
Volume: 38
Pages: 1105 - 1115
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] SFRP5 inhibits early stages of B-cell differentiation and modulates estrogen-related changes in the immune system
Author(s)
Yokota T, Oritani K, Sudo T, Ishibashi T, Doi Y, Habuchi Y, Ichii M, Okuzaki D, Tomizuka K, Yamawaki K, Kakitani M, Shimono A, Morii E, Kincade PW, Kanakura Y
Organizer
The American Society of Hematology 55th Annual Meeting
Place of Presentation
New Orleans, LA, USA
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