2014 Fiscal Year Annual Research Report
インフルエンザ感染重症化バイオマーカーFlu Alarminの検索と実証研究
Project/Area Number |
25670466
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
木戸 博 徳島大学, 疾患酵素学研究センター, 特任教授 (50144978)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 重症度 / ATP / 乳酸 / サイトカイン / リアルタイム・バイオマーカー / 予後判定 / エネルギー代謝 / 代謝障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
インフルエンザ感染が重症化するリスクの高い患者として、糖尿病、肥満者、心不全、肺機能障害、腎機能障害患者が挙げられている。これらの患者では、エネルギー代謝破綻が直接的、間接的原因によっる共通障害因子であることが明らかになった。これ等患者の血中のSOSシグナル候補として、エネルギー代謝破綻の指標としての乳酸/ATP値(ATP-lactate energy risk score: A-LES)、各種炎症性サイトカイン、代謝中間体、ウイルス増殖サイクルに関与するTrypsin、MMP-9について評価を実施し、次の成果を得た。 1)A-LES値は重症度を的確に示すリアルタイムマーカーである:上記のFlu Alarmin候補、例えば各種炎症性サイトカイン、代謝中間体、Trypsin、MMP-9は、インフルエンザ感染以外でも異常値を示すだけでなく、生体の複雑なネットワーク中間構成因子であるため、必ずしも重症度を直接示すとは言えないことが判明した。これらの中で、A-LES値は最終産物であるATPと代謝中間体のLactateを指標にするため、的確に重症度を示すことが、動物実験と臨床検体の測定から判明した。 2)小児のインフルエンザ重症化にインフルエンザ脳症があるが、発症リスク因子として脂肪酸代謝酵素のcarnitine palmitoyltransferase II (CPT II)の熱不安定性遺伝子多型が関与していることをこれまでに明らかにしてきた。インフルエンザ脳症は、感染直後に発症することが多いため、リスク因子としてのCPT IIの遺伝子多型はできる限り早く診断する必要がある。このプロジェクトでは、理化学研究所が開発したSmartAmpのシステムに我々が見出した多型判定のためのCPT IIプライマーを組み合わせることで、30分以内にこの多型の保有者か否かを判定できるシステムを開発した。
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Research Products
(9 results)