2014 Fiscal Year Research-status Report
可溶型TCRを用いた薬剤・金属アレルギー抗原の検索
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25670503
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒瀬 規子 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任研究員 (30360481)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 可溶型TCR / 薬剤アレルギー / 金属アレルギ― / IV型アレルギー / HLA |
Outline of Annual Research Achievements |
近年重症薬疹を引き起こすいくつかの薬剤がHLAハプロタイプと関連する事が明らかとなってきた。一方、金属アレルギーにおいても自然免疫を直接活性化する機構に加えてIV型アレルギーが関与すると考えられるが、その免疫機構は未だに明らかではない。 そこでこれら薬剤や金属などの低分子物質によるアレルギー発症機構におけるT細胞の役割を明らかにする目的で、アレルギー反応に関わるT細胞の抗原の構造を直接明らかにしようとこころみた。 まず抗原の明らかなT細胞のTCR alpha beta鎖を可溶型に組み替えて抗原提示細胞上のpeptide抗原を認識するか確認した。その結果、可溶型TCRはpeptide特異的に抗原提示細胞に反応した。 次に金属特異的なT細胞クローンを樹立し、さらにそのTCRを可溶型に組み替えた。金属特異的クローンは金属特異的に抗原提示細胞に反応したが、その可溶型TCRは金属特異的反応を示さなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
私たちは抗原特異的な可溶化TCRの作成に成功し、さらに金属特異的T細胞クローンの作成にも成功した。しかし、現時点でそのTCRの可溶化分子は金属特異的な反応を示していない。現在TCRのリンカーの長さなどが抗原意より違いがあると考え、調整を試みている。さらにTCR alpha betaダイマーでの可溶化複合体も検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
可溶型TCRだけでなく、ダイマーで抗原を認識するような構造も検討していく。さらにT細胞以外の細胞の金属や薬剤に対する反応も検討し、それらのリガンドを同定する方向を模索する。
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Causes of Carryover |
金属抗原特異的なTCRクローンよりTCRαβ鎖をクローニングし可溶化TCRを作成したが、金属特異的な反応を認めなかった。TCRαβ鎖の種類によりリンカー配列に違いが生じると考え多数の異なるリンカーを用い可溶化TCRを作成し直した。しかし予想外に金属特異的可溶化TCRはリンカーの微調整を行っても現在まだ作成できていない。その結果本年度ではそれ以降のアレルギー抗原同定の実験に進む事ができなかったため未使用研究費が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
可溶化TCRの設計を見直すことで、金属、薬剤特異的TCRクローンより可溶化TCRを作成する。これらを用いて低分子物質のアレルギー抗原を免疫沈降し同定する。可溶化TCRの構造、他の細胞の反応も検討する。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] Autoantibodies to IgG/HLA class II complexes are associated with rheumatoid arthritis susceptibility.2014
Author(s)
Jin H, Arase N, Hirayasu K, Kohyama M, Suenaga T, Saito F, Tanimura K, Matsuoka S, Ebina K, Shi K, Toyama-Sorimachi N, Yasuda S, Horita T, Hiwa R, Takasugi K, Ohmura K, Yoshikawa H, Saito T, Atsumi T, Sasazuki T, Katayama I, Lanier LL, Arase H
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci U S A.
Volume: 111
Pages: 3787-3792
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Myeloperoxidase/HLA class II complexes are targets for autoantibodies in microscopic polyangiitis.2014
Author(s)
Hiwa R., Ohmura K., Arase N., Jin H., Hirayasu K., Kohyama M., Suenaga T., Matsuoka S., Iwatani H., Atsumi T., Terao C., Mimori T., Arase H.
Organizer
日本免疫学会学術集会
Place of Presentation
京都
Year and Date
2014-12-10 – 2014-12-12
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