2014 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質リン酸化特性の網羅的解析による大腸がんの病態解明と制御への応用
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25670572
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
源 利成 金沢大学, がん進展制御研究所, 教授 (50239323)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 大腸がん / 蛋白質リン酸化 / GSK3β |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,がん細胞の生存,増殖,浸潤やエネルギー代謝など根源的な生命現象とGSK3βの病的作用を関連させる可能性のある蛋白質リン酸化特性をプロテオミクスの理論と技法により解析する.そして,がん細胞の病理特性とGSK3βの「がん促進機能」の分子メカニズムをリン酸化プロテオームの視点から探究する.これにより,大腸がんの生物学的特性と関係する腫瘍蛋白質の性質や機能を規定するリン酸化特性と,GSK3βによるそれらの制御機構の手がかりとなる分子経路を探索し,GSK3β阻害による新しいがん治療法が“がん特異的リン酸化特性の修飾”に立脚するかを検討する. 本研究と並行して進めてきたメタボローム解析と初年度のリン酸化プロテオーム解析の結果を統合的に検討した結果,細胞の糖代謝経路の主要酵素の1つであるピルビン酸脱水素酵素(PDH)がGSK3βによりがん細胞で優先的にリン酸化されることが示唆された.まず,GSK3βによるリン酸化モチーフ(S/TXXXS/T)をもとにPDHのアミノ酸配列を調べたところ,2個ずつのセリン(S)残基とスレオニン(T)残基が同定された.これらのリン酸化ペプチド特異的な抗体を作成して解析した結果,正常細胞に比べて大腸がん細胞では1ヶ所のSリン酸化が亢進し,GSK3β阻害により低下した.この結果より,GSK3βはPDHのリン酸化によりその活性を修飾してがん特有の糖代謝を誘導し,がん促進的に作用することが示唆された.
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Research Products
(20 results)