2013 Fiscal Year Research-status Report
iPS細胞由来心筋細胞を用いた三次元心筋組織構築による次世代心筋再生治療法の開発
Project/Area Number |
25670594
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮川 繁 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70544237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 哲也 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10644891)
戸田 宏一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40379235)
吉岡 大輔 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40645959)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | iPS細胞 / 心筋分化 / 機械的刺激 |
Research Abstract |
iPS細胞より分化させた心筋細胞をより成熟した細胞へ分化誘導させることにより、再生治療分野における治療効果の拡大が得られると考えられる。よって分化誘導効率の向上を目的とした細胞分化法の確立を目指すのが本研究の目的である。これまでにも幹細胞から心筋への分化を促進させる因子に外的機械刺激(Mechanical stress)が心筋細胞の成熟を促す報告は認められる。外的機械刺激によるiPS細胞の心筋分化への影響を検討した。初めに、これまで我々が行ってきた心筋への分化培養法に従いiPS細胞を分化させ、胚葉体(EB)形成を行った。EB体形成後に拍動を確認した細胞を用いて、培養開始後から平均約8日目において、細胞分化を誘導する成長ホルモン(IGF-1/GH/HGF)のそれぞれを添加して培養を行う群と、機械刺激を加えて培養を継続するで2週間後における心筋マーカーの発現率を比較した。結果は、HGFとGHを添加した群では心筋マーカーであるαMHCの発現率に向上は認められず、拍動するEB体の個数にも変化は認めなかった。一方、IGF-1添加群と機械刺激群ではαMHCの発現率(約20%)に向上が認められた。 機械刺激によりiPS細胞由来心筋細胞の分化成熟が促進される可能性を示唆する結果がれられた。今後はこれらの分化成熟度の向上がvivo実験において機能改善にどのような効果をもたらすかを検討するため、心筋梗塞モデルを用いた心筋細胞の成熟度別での治療効果を検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サイトカインの液性因子ではなく機械刺激により心筋細胞の成熟促進がおこることを本研究にて確認し、本研究の目標を概ね達成できていると評価できる。しかし、これらの分子マーカーレベルでの成熟が実際の心機能改善効果に寄与するかを結びつけた実験は報告がなく、これらの検討を行う必要があると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
実験動物を用いた心筋細胞の成熟度別の心機能改善への寄与の違いを検討するとともに、in vivoにおいても心筋細胞の収縮蛋白、構造蛋白の成熟がおきるか組織学的にまた分子生物学的に検証する予定である。また成熟した心筋細胞の方が作業心筋として有利かまた組織への生着性は向上するか等、収縮蛋白、構造蛋白のみに着目するのではなく細胞の生着をつかさどる蛋白発現に関しても検討する予定である
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品の購入に係る費用が予定より少額に抑えることができたため 実験動物を用いた心機能改善への寄与の検討に研究費を使用したいと考えている
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