2013 Fiscal Year Research-status Report
免疫誘導・作用の場を考慮した脳腫瘍に対する新規免疫治療法の開発
Project/Area Number |
25670613
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
齋藤 竜太 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10400243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 直人 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60291267)
菊地 利明 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10280926)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 脳腫瘍 / 免疫治療 / 共刺激因子 |
Research Abstract |
免疫共刺激因子であるOX-40を用いた脳腫瘍免疫治療法の開発を進めている中で、OX-40分子が腫瘍内外で相反する2つの効果を有し、この効果の違いが酸素環境により影響されることが判明した。この免疫誘導/作用の場に注目し、OX-40ワクチン治療の増強を目指した研究を実施した。具体的には2つの方法でOX-40ワクチン治療の増強を目指した。一つ目は、皮下ワクチンとしてOX-40と同様な共刺激因子であるCD-40との併用を試みた。腫瘍抽出物にOX40刺激抗体であるOX-86とCD-40刺激抗体であるFGK45を混合してワクチンとして脳腫瘍モデルに投与した。ここで脳腫瘍モデルとしてはOX-40刺激のみでは充分な効果を示すことが出来なかった脳腫瘍幹細胞モデルであるNSCL61細胞モデルを使用した。結果として、併用治療による脳腫瘍モデルの有意な生存延長を確認した。さらにこの研究では、NSCL61細胞モデルに対してはOX-40刺激よりもCD-40刺激の方が有効である可能性が示唆された。そこで、通常のマウス脳腫瘍モデルであるGL261細胞モデルで、CD-40刺激によるワクチン治療の効果を検討したところ、やはり良好な生存延長効果が認められた。この結果を受けて二つ目の試みとして予定していた樹状細胞免疫治療との併用はCD-40刺激と樹状細胞ワクチンの併用を検討することとした。NSCL61細胞モデルでの治療効果を検討したところ、樹状細胞ワクチンも生存を有意に延長させたが、CD-40の効果が強く、併用による効果の増強は確認されなかった。結果として、2種類の免疫共刺激因子OX-40とCD-40の同時刺激が最も有効であると考えられ、この方向でさらに研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたOX-40を用いたワクチンによる脳腫瘍免疫治療効果の増強に成功した。共刺激因子の併用か樹状細胞ワクチンとの併用を予定していたが、両者を試みた結果として共刺激因子の併用がより有望であることが判明した。
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Strategy for Future Research Activity |
共刺激因子を用いた免疫治療を臨床へトランスレーションすることを目指す。まず、OX-40分子、CD-40分子が実際の臨床においてどのような役割を果たしているかを臨床検体を用いて検討することにより、それらの分子の重要性を確認する。さらに、サイトカインの変化など、免疫効果増強の機序を解明することで治療法の基礎を固めたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
共刺激因子OX-40, CD-40の併用による免疫増強効果の検討に関して、組織切片での免疫細胞浸潤の解析を次年度へ延期したため。 共刺激因子を併用した際の腫瘍標本を作製して、リンパ球など免疫細胞の浸潤を評価することとしており、そのためのCD4, CD8等各種抗体を購入する。
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Research Products
(4 results)