2015 Fiscal Year Annual Research Report
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25670662
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Research Institution | Spinal Injuries Center |
Principal Investigator |
芝 啓一郎 独立行政法人労働者健康福祉機構総合せき損センター(研究部), その他部局等, 研究員 (90574137)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | バイオイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
整形外科疾患の殆ど全ては、その病態発生・治癒過程に血流動態が深く関与する。関節炎や骨髄炎などの慢性炎症疾患、変性やヘルニアなどの圧迫病変による脊柱管狭窄症や脊髄症、骨折や外傷後の軟部組織治癒過程など、血流動態の詳細な把握は病態治療研究に重要である。さらに、薬剤投与研究に於いて効率的なDDSの開発には、血流、髄液流、関節液中での薬剤の組織浸透性把握や時空間的動態把握は必要不可欠である。しかし、臨床現場においては動静脈奇形などの特殊な疾患を除いては血流動態に注目する機会は少なく、基礎研究に於いてもin vivoでの血流や髄液流動態を可視化するツールが存在しないため、殆ど研究が行われていない。特に、関節液中での薬物動態把握は殆ど明らかになっていない。これまでに我々は、発光酵素であるホタルluciferaseコンストラクトをレンチウイルスで移植細胞遺伝子に組み込み、移植後の細胞の移動や生存率を評価することに成功した。このコンストラクトとアルブミン発現ベクターを用いて、発光酵素と蛍光蛋白を付加した人工アルブミンの作成を試みた。しかし培養液中での発現蛋白量は微量であり、発光基質を加えてもバックグランウド程度の発光強度しか得られなかった。一方で、これまでのD-luciferinでは発光強度が弱く、生体内深部の可視化が困難であると考えられたため、従来型と比較して格段に発光強度が高いffLuc-cp156を組み込んだトランスジェニックマウスを入手した。このマウスは暗室中で目視にても個体発光が確認できるほど強度が高いため、汎用性が高いものと考えられる。本マウスを用いて、脊髄損傷急性期に浸潤する末梢循環細胞を定量化することで、損傷早期に脊髄損傷の予後予測が可能であることを明らかにした。今後は関節液のイメージングや髄液流のイメージングへと応用範囲を拡大して行く予定である。
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Research Products
(4 results)