2014 Fiscal Year Annual Research Report
質量顕微鏡を用いた低分子メタボローム解析の、前立腺癌画像診断への応用
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25670681
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
神波 大己 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20402836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 俊成 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00607749)
寺田 直樹 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60636637)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 質量顕微鏡 / 前立腺癌 / メタボローム |
Outline of Annual Research Achievements |
前立腺癌において、PSAを補完しうるマーカーが求められているものの、真に有用な新規マーカーの開発には至っていない。また、MRIは前立腺癌の局在診断に有用な検査であるが、その感度に限界がある。一方、癌組織におけるリン脂質などの小分子物質の重要性は、近年しばしば報告されているが、その詳細については明らかにされていない。本研究において我々は、高解像度の質量顕微鏡(Imaging Mass Spectrometry 以下IMS)を用いて、前立腺癌細胞において特異的に発現しているリン脂質を同定し、その代謝をMagnetic Resonance Spectroscopy(以下MRS)の技術で画像化することにより、前立腺癌の新たな診断方法の開発を目指している。 平成25年度研究において我々は、前立腺全摘を施行した前立腺癌患者の前立腺組織に対して、高解像度IMSによる解析を行った。 Discovery set(14例)の解析により、前立腺によく発現する26分子を同定し、MS/MS解析により、それらのうち14分子はホスファチジルイノシトール(PI)と同定された。また、PI(18:0/18:1)とPI(18:0/20:3)、PI(18:0/20:2)は正常腺管と比べて癌部で有意に発現が亢進していた。 さらに、Discovery setを用いた多変量解析により組織上でのPIの発現プロファイルによる癌部の診断アルゴリズムを作成し、Validation set(24例)において、このアルゴリズムは感度87.5%、特異度91.7%の診断率であった。 以上より、高解像度IMSにより、正常腺管よりも前立腺癌部で高発現するPIを数種類同定したこと及び、これらのPIの発現プロファイルの差異は、前立腺癌の新たな診断マーカーとなり得ることを論文発表した。 また、発現している脂質と予後の関係を解析することで、リゾフォスファチジルコリン(LPC)の発現が正常前立腺上皮に対し前立腺癌部で有意に低下していた。この知見に関し現在論文投稿中である。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] The expression profile of phosphatidylinositol in high resolution imaging mass spectrometry is a potential biomarker for prostate cancer.2014
Author(s)
Takayuki Goto, Naoki Terada, Takahiro Inoue, Kenji Nakayama, Takeshi Yoshikawa, Yu Miyazaki, Masayuki Uegaki, Takashi Kobayashi, Tomomi Kamba, Koji Yoshimura, Osamu Ogawa
Organizer
29th Annual EAU (European Association of Urology) Congress
Place of Presentation
Stockholm
Year and Date
2014-04-11 – 2014-04-15