2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25670706
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
丸山 哲夫 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10209702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 浩 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90286534)
升田 博隆 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (80317198)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 子宮再建 / 脱細胞化 / 組織工学 |
Research Abstract |
【1】脱細胞化技術の開発と確立:ラット子宮を下大静脈と大動脈付きで摘出した後、潅流装置を用いて大動脈経由でドデシル硫酸ナトリウムにより灌流し、子宮を脱細胞化することに成功した。この脱細胞化マトリックス(decellularized scaffold, DS)を免疫組織化学及び透過型電子顕微鏡にて解析したところ、コラーゲンなどの細胞外基質とともに血管構造などの組織三次元構造が保持されていた。さらに、大動脈経由でのAllura Red染色色素の注入により、微細な血管構造まで染め分けることが可能であった。このことは、単に形態的な血管構造が保持されているだけでなく、液性成分の漏出などが容易に起きない血管構造の強度も保持されていることが判明した。 【2】再細胞化技術の開発と確立:In vitro再細胞化実験として、ラット子宮より単離した細胞、子宮細胞、骨髄間葉系幹細胞などを、単独あるいは組み合わせてDSに注入し、酸素化した培地を大動脈より灌流して細胞注入DSを培養した。その結果、HE染色および免疫組織化学により腺上皮および間質の組織構造の復元が確認されるとともに、最大10日間までその再細胞化組織を培養することが可能であった。ただし、平滑筋構造については十分な再構築は得られなかった。In vivo再細胞化実験として、ラット子宮角の一部を切除した後DSの一部を欠損部に移植した。移植4週間後に移植部位をHE染色および免疫組織化学により検討したところ、腺管・腺上皮・間質・平滑筋構造がほぼ正常に再構築されていた。一方、DSを移植しなかったラットでは、組織は菲薄化しており、上記の一連の子宮構造は十分に再構築されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脱細胞化および再細胞化については、至適な条件設定に加えて、技術開発に一定の成果が得られているので、「(2)おおむね順調に進展している。」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、脱細胞化および再細胞化技術の改良を重ねていくとともに、今後は以下を行う。 【1】幹細胞あるいはその関連細胞のトラッキングとbioluminescence imaging(BLI):再細胞化の前に、注入予定の子宮幹細胞、間葉系幹細胞、あるいはそれらの関連細胞に対して、発光蛋白あるいは蛍光蛋白を発現する遺伝子が搭載されたレンチウイルスを感染させて、発光蛋白あるいは蛍光蛋白を恒常的に発現するように操作する。これらの発光細胞・蛍光細胞とマジョリティを占める非標識の細胞と混合して注入し、子宮の再建・再構築を図る。それらの発光・蛍光細胞が、再構築過程でどの場所にどのように寄与しうるかを、BLIでリアルタイム並びに非侵襲的にモニタリングするとともに、免疫組織化学などを用いて、詳細な局在・系譜解析を行う。 【2】In vitro構築子宮の構造・機能解析:上記のin vitroで再細胞化した子宮に対して、ラット胚を子宮腔内に注入し、着床および引き続いての初期胎盤形成の過程を観察する。上記のBLIを用いて、幹細胞を追跡(トラッキング)することにより、その振る舞いと各細胞系譜への貢献を検討する。 【3】In vivo 構築子宮の構造・機能解析:In vivoで再細胞化した子宮を有するラットを、自然交配により妊娠させて、着床および引き続いての初期~中・後期の胎児発育および胎盤形成の過程を観察する。In vivo BLIを施行し、非侵襲的リアルタイムに、再構成子宮における幹細胞の振る舞いをモニタリングすることにより、幹細胞のin vivoにおける役割と振る舞いを明らかにする。 以上の研究において、丸山哲夫は研究の企画・統括に加えてデータ解析・論文作成を、内田浩は脱細胞化・再細胞化技術の開発と確立を、升田博隆は移植・発光イメージング、免疫組織化学などによる解析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
未使用額の発生は効率的な物品調達を行った結果である。 次年度の研究費と併せて消耗品購入に充てる予定である。
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[Journal Article] System amino acid transporter SNAT2 shows subtype-specific affinity for betaine and hyperosmotic inducibility in placental trophoblasts.2014
Author(s)
Nishimura T, Yagi R, Usuda M, Oda K, Yamazaki M, Suda S, Takahashi Y, Okazaki F, Sai Y, Higuchi, K, Maruyama T, Tomi M, Nakashima E
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Journal Title
Biochim Biophys Acta.
Volume: 1838
Pages: 1306-1312
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Paracrine activation of WNT/β-catenin pathway in uterine leiomyoma stem cells promotes tumor growth.2013
Author(s)
Ono M, Yin P, Navarro A, Moravek MB, Coon JS 5th, Druschitz SA, Serna VA, Qoang W, Brooks DC, Malpani SS, Ma J, Ercan CM, Mittal N, Monsivais D, Dyson MT, Yemelyanov A, Maruyama T, Chkravarti D, Kimm JJ, Kurita T, Gottardi CJ, Bulun SE
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci U S A.
Volume: VOL. 110
Pages: 17053~8
DOI
Peer Reviewed
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