2013 Fiscal Year Research-status Report
ヒルシュスプルング病および類縁疾患の乳歯歯髄幹細胞を用いた新規治療法の開発
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25670744
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田口 智章 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20197247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 達夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60170130)
野中 和明 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (90128067)
山座 孝義 九州大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (80304814)
山座 治義 九州大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (30336151)
柳 佑典 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (30596664)
家入 里志 九州大学, 大学病院, 講師 (00363359)
三好 きな 九州大学, 大学病院, その他 (20621709)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ヒルシュスプルング病 / ヒルシュスプルング病類縁疾患 / ヒト脱落乳歯由来幹細胞 / SHED / 免疫寛容性 |
Research Abstract |
本研究における対象疾患のうち,Hypoganglionosisを最初の研究対象とした.Hypoganglionosisは正常腸管に比べ病理組織学的に腸管神経節細胞が数的に少なく,神経叢の面積も小さいため腸管機能不全を呈す疾患である.また,H病の原因としてエンドセリン受容体タイプBの欠損がいわれているが,そのエンドセリン受容体タイプBのmRNAの発現量低下を先天的に認める近交体系マウス(Japanese Fancy 1;JF1)をHypoganglionosisモデルマウスとして用いた.JF1マウスはwild typeのマウスに比較して体重が少なく,その腸管神経叢の神経線維の密度が低く,その程度は近位空腸に比較し遠位結腸で統計学的に有意であることが知られている. JF1マウスの頸静脈にSHED(Stem cells from Human Exfoliated Deciduous teeth;ヒト乳歯由来歯髄幹細胞)を投与し,週令19(移植後8週)にて犠牲死させ,結腸に対し,AChE染色及びHE染色を行い,また体重増加の推移・食事及び水分摂取量を計測した. 結果,統計学的有意差は得られなかったものの結腸に対するAChE染色にて神経線維の密度の上昇及び神経叢の面積の増大,HE染色にて神経節細胞数の増加を認めた.また,食事・水分摂取量には継時的変化はなかったがSHED投与を行っていないcontrol群に比較し,静注群では体重増加を認めた.以上より,SHEDを静注したことにより病理組織学的に腸管神経の改善傾向が得られ,臨床的には体重増加傾向が得られた可能性が示唆される. 平成25年度に実施した研究成果の意義・重要性 SHEDを静脈的に全身投与することで腸管神経叢に対し病理組織学的な改善傾向、及び体重増加という臨床的な改善傾向を認めた.腸管機能不全に対しSHED投与が有効である可能性を示唆しえた結果として重要性がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画・方法のH25年度の方針として,モデルマウスを用いた細胞移植の効果の検討に関しては見解を得,神経ネットワークの再生の可能性を見出すことができたが,細胞の生着に関しては未だ確認できていない.細胞生着の有無に関して病理組織学的検討(免疫組織化学)による解明を現在遂行中である.生理学的な腸管機能の解析に関しては下記の推進方策の如く現在,準備を進めているところである. その他の項目である1)乳歯幹細胞から神経節細胞・グリア細胞・Cajal細胞への分化誘導,2)誘導細胞の免疫寛容性の検討(in vitro)に関しては現在未着手であり,次年度に着手及び見解を得る予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
AChE染色にて神経線維の密度及び面積の増加及びHE染色にて神経節細胞数の増加傾向という結果を得たが,その成果が,SHED由来細胞の生着であるのか,マウス由来の細胞の増加であるのか未確認である.この点で,SHEDの作用として,1)細胞そのものの生着による効果,2)SHEDが分泌したtrophic factorによる効果であるのかを検討する必要がある.この検討に関して現在,免疫組織化学にて,HLA-ABC抗体を用いた評価,抗Neurofilament M抗体・抗c-kit抗体・抗Hu C/D抗体・抗CD56抗体の各抗体においてそれぞれreactivity をヒトのみ及びマウスのみのものを用い評価する予定である.生化学的評価として,血液検査にて栄養の評価を行う予定であり,腸管機能の生理学的解析としてはオーガンバスを用いた評価の準備を進めている渦中である.オーガンバスは採取直後の腸管に電気刺激を与え得られた波形を記録するものであり,腸管の収縮及び弛緩の様子を視覚的にとらえることができる評価方法である. SHEDの神経系細胞への分化誘導及びSHED由来神経系細胞の免疫寛容性の検討に関しても,上記実験と並行し行ってゆく予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
乳歯幹細胞から神経節細胞・グリア細胞・Cajal細胞への分化誘導,誘導細胞の免疫寛容性の検討(in vitro)に関して未着手のため 細胞生着の有無に関して病理組織学的検討(免疫組織化学)による解明を遂行する
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Research Products
(25 results)
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[Journal Article] An augmented reality navigation system for pediatric oncologic surgery based on preoperative CT and MRI images2013
Author(s)
Souzaki R,Ieiri S,Uemura M,Ohuchida K,Tomikawa M,Kinoshita Y,Koga Y,Suminoe A,Kohashi K,Oda Y,Hara T,Hashizume M,Taguchi T.
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Journal Title
J Pediatr Surg
Volume: 48
Pages: 2479-2483
DOI
Peer Reviewed
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