2013 Fiscal Year Research-status Report
破骨細胞の分化制御を基盤としたインプラント周囲骨動態制御法の開発
Project/Area Number |
25670823
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鮎川 保則 九州大学, 大学病院, 講師 (50304697)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古谷野 潔 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (50195872)
高橋 良 九州大学, 大学病院, その他 (60637924)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | インプラント / 破骨細胞 / 歯科補綴学 |
Research Abstract |
これまでのインプラント研究は,オッセオインテグレーションの早期獲得を目標とするものと,獲得したオッセオインテグレーションの維持を目標とするものに大別できる.前者については数多く研究がなされているが,後者は幅広く検討が加えられているとは言い難い.しかし後者は患者のQOLの維持向上に非常に重要であり,臨床の現場からは基礎的な新知見の蓄積が待たれていると.本研究では,オッセオインテグレーションの維持に関して破骨細胞に注目し,インプラント周囲炎局所において破骨細胞の分化や骨吸収過程に必須の分子を制御することによってインプラント周囲骨吸収の制御を目指すものであり,今年度は破骨細胞を制御しうる薬剤についての探索を行った.候補薬剤として,種々の化合物が考えられるが,これまでにsimvastatinおよびbisphosphonateを破骨細胞誘導系(培養実験)に投与し,破骨細胞の分化や活性の変化について基礎的実験を実施したところ,これらの薬剤が細胞の融合や酒石酸抵抗性酸フォスファターゼの発現など,破骨細胞形成に負の影響を与えている可能性が示唆された.また,破骨細胞分化に必須な構造である膜ナノチューブはM-Sec 遺伝子の働きにより形成されるが,膜ナノチューブの形成をM-Sec遺伝子を対象としたRNAi法を用いて阻害すると,破骨細胞形成が抑制的にコントロールされることが明らかになった.平成26年度は,さらに種々の薬物・化合物が破骨細胞形成に与える影響を検討しつつ,その研究にて見出された物質がインプラント周囲骨吸収をどのように制御するかについて検討を行う.インプラントのモデルについては,ラット口腔内に埋入したチタンインプラント検討対象とし,これまでに当教室で報告している薬剤徐放マイクロカプセルを応用する.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
より多くの薬剤や化合物について検討を加える予定であったが,予定より少ない種類の薬物しか検討ができなかったため,やや遅れているとした.
|
Strategy for Future Research Activity |
多くの薬剤のスクリーニングをできるだけすみやかに行い,動物実験を通じて臨床的に応用可能な治療法の開発を目指す.
|