2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25670854
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
瀬尾 憲司 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40242440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 健康 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40183941)
依田 浩子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (60293213)
藤原 直士 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70181419)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | BDNF / 破骨細胞 / 下歯槽神経 / 下顎管 / 骨吸収 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラットの下顎骨表面にドリルで小孔を開けて、そこにBDNF1μgを投与し、それを骨蝋で覆った。コントロール群には代わりに生理食塩水を入れたものとした。これらは周囲へ漏れないようにして覆い2-3週間生存させた。その後の骨変化を形態学的に観察した。形態学的観察には破骨細胞に特異的なCathepsin K、神経栄養因子BDNFの受容体TrkB、アルカリフォスファターゼ、骨基質に特異的であるオステオポンチンの存在を検討した。 術後7日目 のBDNF群では、骨切削面に不規則な吸収面が観察される一方、骨の新生が認められた。骨髄腔は狭小化している傾向があった。またコントロール群と比べて破骨細胞が多く遊走されているのが観察された。 術後14日のBDNF群ではCathepsin K陽性の破骨細胞が散見された。これはコントロール群ではほとんど認められていなかった。またコントロール群ではアルカリフォスファターゼまたはオステオポンチン陽性の新生骨が確認され、骨芽細胞が骨表面に配列していたのに対し、BDNF群にはこれらはほとんど認められなかった。 術後28日のコントロール群ではCathepsin K陽性の破骨細胞が出現し、アルカリフォスファターゼまたはオステオポンチン陽性の骨組織新生が認められたことから骨のリモデリングが活発であることが示唆された。それに対してBDNF群ではアルカリフォスファターゼまたはオステオポンチン陽性の新生骨梁が少ない傾向が認められた。 以上から、局所のBDNFの存在は、破骨細胞の遊走を促し骨吸収を促す一方で、新生骨組織造成を抑制する可能性があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
顎骨内局所に投与したDBNFが及ぼす破骨細胞への効果を検討できた。以上により、骨芽細胞(平成25年度)とあわせて骨吸収と再生の両面からの影響を検討することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
破骨細胞遊走に関しての統計的分析を行い、さらに骨造成の変化についても定量化して検討を行っている途中である。
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Causes of Carryover |
研究計画は概ね順調に進んでいたが、時間的制約のために実験実施を新年度にわたって行う必要が出たため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
定量的変化の検討のため、動物購入費の補助として補填する予定である。
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