2013 Fiscal Year Research-status Report
エクソソームによる新規上皮―間葉相互作用の概念とその応用
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25670869
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岩本 勉 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (90346916)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歯の発生 / テトラスパニン / Cd9 |
Research Abstract |
CD9は分子量24kDa単鎖糖タンパクで、テトラスパニンスーパーファミリーに属する。テトラスパニンは生体内に広く存在し、膜4回貫通型タンパク質で、生体内における機能解析は不明な点が多く存在しているが、テトラスパニンが他のタンパク質と会合して複合体を形成することによって、細胞間の接着やシグナル伝達、細胞の運動に関与しているとして注目されている。我々は、バイオインフォマティカル解析法を用いて、歯の発生過程においてCD9が有意に発現していることを見いだした。 そこで、新生マウス臼歯歯胚およびラット由来歯原性上皮細胞株よりmRNAを抽出し、RT-PCR法を用いて、テトラスパニンファミリーの発現解析を行ったところ、Cd9、Cd81、Cd82、Cd151、Tspan8の発現を認めた。また、歯原性上皮細胞株を神経栄養因子NTー4を用いてAmbn遺伝子の発現を誘導したところ、Cd9遺伝子の発現は減少し、一方、Cd81、Cd151のそれぞれの遺伝子は発現が上昇することを見いだした。実際、歯胚の発生段階におけるCd9の発現を免疫組織学的に検討を行ったところ、歯堤内部の中間層の細胞でCd9の発現が見られるが、外エナメル上皮および分化が進んだ内エナメル上皮ではCd9の発現が観察されなかった。 このことからテトラスパニンファミリーは歯の発生に深く関わっており、発生段階におけるそれぞれの役割が示唆され、特にCd9においては、歯原性上皮細胞の分化に抑制的に働く因子であることが考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
エクソソームの抽出方法について、安定性にかけるため、より工夫と改良が必要である。また、Cd9発現安定細胞株の作成に手間取っていることがある。これらの要因として、異動に伴い実験環境が本研究申請時と大きく変わったため、研究環境の立ち上げにやや時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度計画で遅れている部分も今年度は挽回し進めていきたい。月毎に研究進捗状況を整理し、評価を行っていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成26年3月に納品となり支払いが完了していないため、次年度使用額が生じた。 平成26年度4月に支払い完了予定である。
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