2014 Fiscal Year Research-status Report
LAMP法を用いた看護ケア環境累積微生物汚染度の新評価システム構築
Project/Area Number |
25670902
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
矢野 理香 北海道大学, 大学院保健科学研究院, 准教授 (50250519)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
良村 貞子 北海道大学, その他の研究科, 教授 (10182817)
渡辺 玲奈 北海道大学, その他の研究科, その他 (10431313)
下田 智子 北海道大学, その他の研究科, 助教 (60576180)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | LAMP報 / ATP / 看護ケア / 微生物汚染度 / 清浄度 / 評価システム / 感染管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
病院内の感染管理の累積環境微生物汚染評価ツールとして一般的に用いているのが、ATP量やスタンプ法である。しかし、これまでの調査結果より、ATP量とスタンプ法どちらの方法でも院内環境微生物汚染度を正確に評価するには不十分であると考えられた。そこで、本研究課題は、看護師がベッドサイドで簡便に病院内の感染管理の累積環境微生物汚染度を正確に評価するために網羅的微生物量定量LAMP法を導入し、新たな院内評価システムを構築することを目指している。平成26年度は、メタゲノム解析を導入し、環境微生物汚染度の指標となる幾つかの細菌群を選定することを目標に研究を進めた。平成25年度に、規模の異なる3病院の各2病棟の環境表面各9か所、合計3回、滅菌生理食塩水に浸した滅菌綿棒でサンプルを採取した。その後、本年度は、環境微生物のDNA抽出後、PCR(polymerase chain reaction)法を実施し、メタゲノム解析を業者に依頼した。次世代シーケンス解析、微生物群集解析を実施し、微生物叢のゲノムDNA 塩基配列を一度に取得し、微生物間の相互作用の網羅的解析をすすめている。現在、メタゲノム解析を終了し、解析結果を再分析し、検討している段階である。 また、これまでの調査結果から、一部の測定場所では、ATP法およびスタンプ法によって検出結果に差があったため、より精度の高い評価を行うためには、更なる検討が必要だと考えた。環境表面の物性が異なることが細菌の挙動に影響している可能性も否定できないと考え、医療現場における環境表面の物性(メラニン化粧版、ステンレス、塩化ビニルなど)とATP値と生菌数の関連性について再分析した。その結果、物性によってATP値および生菌数の結果に差異があり、病院内の感染管理の累積環境微生物汚染評価には、環境表面の物性も考慮する必要があるのではないかと考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究で予定していた、メタゲノム解析に向けたサンプル処理とメタゲノム解析に、計画立案時に想定していたよりも時間を要したため。しかしながら、平成27年度に向けた研究実施には、大きな影響はないと判断している。
|
Strategy for Future Research Activity |
・LAMP法プライマーの設計と設計したプライマーを用いて各種細菌を検出する上での感度・特異度を検証する。
|
Causes of Carryover |
平成26年度は、メタゲノム解析の結果から、LAMP法のプライマー設計を実施予定であった。しかし、メタゲノム解析に向けたサンプル処理とメタゲノム解析に、計画立案時に想定していたよりも時間を要したため、LAMP法の段階に進めることができなかったため
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
予定しているLAMP法のプライマー設計を今後実施する。さらに、設計したプライマーを用いて各種細菌を検出する上での感度・特異度を検証するための実験を実施する。
|