2014 Fiscal Year Research-status Report
介護保険施設における看護職者の雇用マッチング支援モデルの開発
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25670904
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
田中 幸子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20286371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 千加代 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50597242)
香取 洋子 北里大学, 看護学部, 准教授 (90276171)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 介護保険施設 / 雇用マッチング / 看護師 / 人材確保 |
Outline of Annual Research Achievements |
8月28日に研究メンバー会議を行い、すでに実施した介護保険施設でのインタビュー調査を踏まえ、持ち寄った文献を輪読、先行研究の確認作業を行った。介護保険施設を対象にしたアンケート調査が増えていることから施設にとっては負担になっていることが予想されたので、いくつかの施設にお伺いをしながら時期を決定していくこととした。「雇用のミスマッチ」があるかどうかについてはナースセンターデータでは紹介数に対する就職者数で示すことができる。また、就職したけれど短期に離職した人数も雇用のミスマッチに含まれるのではないかと考えられた。引き続き「雇用のミスマッチ」の定義を文献で探しながら、短期離職者も含めることとした。9月14日には、看護職の職場管理に関する研究会を開催し、看護職の職業キャリア、院内暴力、ストレス、抑うつ状況などについて意見交換を行った。これまでは病院における看護職の労働環境の問題が分析されてきたが、介護保険施設においてもこれらの分析が重要になってくると思われた。 これまでの研究成果、文献からの知見を立命館大学生存学研究センターでの看護論ーこの30年の看護をめぐる変容ーにおいて、少子高齢化の進展によって看護職確保が重要になりそれが、看護師等の人材確保法につながっていること、介護保険施設において雇用のミスマッチが生じる背景に、①介護保険制度は比較的新しい制度(平成12年)であるために、それ以前の看護教育で看護職として就労している者は学習してきていないこと、②看護基礎教育が病院における療養上の世話を中心に教育するものであるために、介護保険施設における看護が十分理解されていないこと、③介護保険施設の福祉を専門とする管理者は①②のような事情を把握していないために、看護職の戸惑いを理解しきれずにいることなど、それらが雇用のミスマッチ、短期の離職につながっている可能性があることをまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究メンバーの職場異動などがあったが、連絡を取り合い、これまで活動拠点であった自治体の担当者を紹介してもらった。これまでの研究成果、知見を公表し、次の計画につなげている。
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Strategy for Future Research Activity |
雇用のマッチング状況に関する質問項目をさらにブラッシュアップし、介護保険施設へのアンケート調査を進めていく。 医療・介護提供体制が変化しているので、厚生労働省関係の審議会の状況、それに対する関係団体の対応などをチェックしていく。同時に文献収集を続け、新たな研究知見の情報を取り入れていくこととする。
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Causes of Carryover |
先行研究、文献では「雇用のミスマッチ」の定義が明確ではなく、本研究においてどう扱うかが検討された。インタビューと違いアンケートでは、事前に明確にしておく必要があった。そこで定義づけを明確にしたうえで介護保険施設におけるアンケート調査を行うために次年度に調査を移動させた。その結果調査に係る費用が次年度にまわったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究での「雇用ミスマッチ」を明確にした上で、アンケート調査を行う。場合によっては再度、小規模のインタビュー調査を行い、「雇用ミスマッチ」に関する理解を深め、定義づけを行い、アンケート調査では、郵送料、印刷費等で使用する。
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